
NEXUS NØVA -PROLOGUE-
作者:片摩 廣
登場人物
アヤ・ミカド・・・近接戦闘型ネクサス・ギア、パイロット、17歳♀
機体:高機動・剣装備の人型ロボット
形式番号:NG-01
機体名:《EIRIS(アイリス)》
通称:アイリス
シオン・レイヴァス・・・前衛サポート/近接補助型パイロット、18歳♂
冷静沈着だが、熱い部分もある
形式番号:NG-02
機体名:《VEIL(ヴェイル)》
通称:ヴェイル
ダイチ・バルディス・・・重火力・盾役、パイロット、19歳♂
熱血タイプの憎めないタイプ
形式番号:NG-03
機体名:《GAIA BASTION(ガイア・バスティオン)》
通称:ガイア
リツ・アサギ・・・狙撃・電子戦、パイロット、19歳♂
皮肉屋で感情を軽視する
アヤと出会って変わり始める
形式番号:NG-04
機体名:《NOX LOGOS(ノクス・ロゴス)》
通称:ノクス
管制AI:軍施設、ネクサス・ギアの管制AI
オーバーマインド:統合AI、人類は不完全という結論に到達し、反乱を開始
比率:【3:1】
上演時間:【25分】
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CAST
アヤ・ミカド:
シオン・レイヴァス、オーバーマインド:
ダイチ・バルディス:
リツ・アサギ、管制AI:
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アヤ:(N)「人は、感情を持つから間違える。でも、感情があるから・・・、選べる・・・」
間
管制AI:「警告。敵AI機反応、ブロックCに確認」
ダイチ:「来やがったな・・・! 待っていたぜ! ようやく、俺たちの出番だ!」
リツ:「ギア、感情共鳴率、上昇中・・・。いよいよだな・・・」
アヤ:「私・・・、さっきから胸騒ぎが・・・」
シオン:「アヤ。・・・感情に呑まれるな。お前は、戦える」
アヤ:「うん・・・」
アヤ:(M)「そうだ・・・。あの時、決めたんだ。
此処が今の私の居場所・・・。だから、絶対に守り抜く。
それが、私の戦う理由だから!!」
管制AI:「ネクサス・ギア、全機、発進準備」
シオン:「お前が、これから先の未来を進めるために。・・・俺はお前を全力で守る。
ネクサス・ギア、VEIL(ヴェイル)、出る!!」
ダイチ:「よっしゃああああ!!! 俺が皆の壁になる! 誰一人、俺達の星には通さねええええ!
ネクサス・ギア!! GAIA BASTION(ガイア・バスティオン)、出るぜ!!!」
リツ:「感情はノイズだ。だが、お前達の存在はもっと不愉快だ・・・。だから、俺が撃ち抜く。
ネクサス・ギア・・・。NOX LOGOS(ノクス・ロゴス)、出るぞ・・・!!」
アヤ:「・・・行くよ。・・・人間であるまま、私達の未来を取り戻す!
ネクサス・ギア、EIRIS(アイリス)、出ます!!!」
間
アヤ:(N)「こうして、私達と私達の敵・・・、統合AI《オーバーマインド》との戦いは始まりを告げた・・・。
此処に来るまでに、色々あったな~・・・」
間
(1年前、軍施設、ネクサス・ギア、適性テスト会場)
ダイチ:「一体、いつまで待たされるんだよ~。早く合格発表してくれよ~!!」
アヤ:(M)「まさか、適正テスト、受けた女性は、私、一人なんて・・・。
此処に来た理由なんて・・・、
この惑星を守りたい。それだけなのに・・・」
シオン:「騒々しい。・・・黙って待ってろ」
ダイチ:「あ? 何か文句あるのか?」
シオン:「文句があるから言ってる」
ダイチ:「お前、良い度胸してるじゃねぇか! 表に出ろ!」
シオン:「黙れ。合格発表が始まる」
ダイチ:「チッ!」
アヤ:(M)「空気が重い・・・。・・・私、こんな場所でやってけるかな・・・」
間
ダイチ:「よっしゃあああああ!!! 合格だぜ!!!!
おい、今の聞いたか!? 俺、数値ぶっちぎりだってよ!!!」
アヤ:「あの~・・・、声、大きいです・・・」
ダイチ:「お?
ああ、悪い悪い!! 緊張してたもんだからさ~!」
リツ:「騒音レベル、上昇。
・・・これだから、筋力偏重型は・・・」
ダイチ:「なんだと?」
リツ:「事実を述べただけだ。感情的になる理由が、見当たらない」
シオン:「お前達、此処は試験会場だ。騒ぎ続けるなら、出て行け」
ダイチ:「・・・」
リツ:「・・・」
アヤ:「二人を止めてくれて、ありがとうございます・・・」
シオン:「君も、合格者だな」
アヤ:「え・・・?」
シオン:「ギアとの共鳴波形が、異常だった。
・・・良い意味でも、悪い意味でも」
間
管制AI:「適性合格者4名。これから臨時実戦試験を開始します」
ダイチ:「はぁ!? 実戦!? そんなの 聞いてねぇぞ!!」
リツ:「ふん・・・、机上データだけじゃ、足りないって判断か。・・・面白い・・・」
アヤ:「・・・本当に、戦うんですか・・・?」
シオン:「そうだな。他に選択肢はない。
・・・。・・・どうやら、ここで生き残った4人が、チームのようだ」
アヤ:「・・・」
間
(ネクス・ギアの格納庫へ向かう通路)
ダイチ:「ま、よろしくな! 俺、ダイチ・バルディス!」
リツ:「・・・馴れ合うつもりはない。・・・リツ・アサギだ・・・」
アヤ:「アヤ・ミカドです・・・!
皆さんの・・・、足、引っ張らないように頑張ります・・・!!」
シオン:「僕は・・・、シオン・レイヴァス。・・・全員、生きて戻るぞ」
アヤ:(N)「この時は、まだ知らなかった。
この3人が、私の感情を試す、存在になることを・・・」
間
(仮想戦闘エリア、都市廃区画)
(瓦礫の街。4機のネクサス・ギアが初期配置で分断されている)
管制AI:「臨時実戦試験を開始します。目標、敵性無人兵器の制圧」
ダイチ:「数は多いが問題ねぇ! 俺が前に出る!!!
GAIA BASTION(ガイア・バスティオン)、行くぜ!!!」
リツ:「待つんだ・・・。敵配置の解析が・・・」
ダイチ:「そんな面倒な事してられるか! 解析してる間に囲まれる! チッ・・・、言ってる側から囲まれたぜ・・・」
リツ:「・・・最悪の展開だ。お前が前に出すぎるからだ・・・」
ダイチ:「うるせぇ! 撃たなきゃ始まらねぇだろ!」
間
アヤ:「え・・・? あの・・・、今、敵が見えましたよね・・・!?
どっちから・・・」
シオン:「アヤ、下がれ。ギアとの共鳴値が不安定になってる。安心しろ、判断は俺がする」
リツ:「おい、お前・・・、勝手に指示を出すな。指揮権は、誰にも与えられていない」
シオン:「黙れ、今は、このチームには、統率が必要だ」
リツ:「根拠は?」
シオン:「・・・生き残るためだ」
ダイチ:「くそっ!!! 敵の火力が強くて、ガイアの装甲が削られてる!!!」
リツ:「だから言ったんだ。無闇に感情で動くなと・・・」
ダイチ:「うるせー!!! 感情がなきゃ、守れねぇだろ!!!」
アヤ:「・・・仲間同士で、争うのは止めてください!!!
誰が正しいかじゃない・・・。今・・・、目の前の敵を倒さないと!!!」 (敵機を斬り伏せる)
リツ:「・・・無計画だ」
シオン:「だが、助かった・・・」
ダイチ:「へっ。やるじゃねぇか、アヤ!」
管制AI:「警告。ネクサス・ギア、EIRIS(アイリス)、共鳴値上限に接近」
シオン:「もう良い・・・、アヤ、止まれ」
アヤ:「止まれない・・・。今、私には、見えてるんです。
此処にいる敵、全員が・・・。
全員・・・、倒さないと・・・!!」
シオン:「アヤ・・・」
管制AI:「警告。ネクサス・ギア、EIRIS(アイリス)、感情共鳴率危険域。直ちにギアを停止させよ」
アヤ:「大丈夫・・・、まだ、動ける・・・」(荒い息)
(剣を強く握る)
アヤ:「私が・・・、全部、倒せばいいんだ・・・」(荒い息)
シオン:「おい、聞こえてるか!? アヤ、戻れ! これは命令だ!」
アヤ:「駄目です・・・。今止まったら・・・、全員、生きて帰れない・・・。
私が・・・、私が、倒すんだああああああ・・・!!!」
ダイチ:「何してるんだよ! おい、待て! 一人で突っ込むな!!!」
リツ:「敵AIが判断を切り替えた。
まずい・・・、周囲を、先に潰す気だ・・・」
ダイチ:「何だと? どうすれば・・・、ぐはっ!!!!」(敵機のビームが、ガイアの左腕部に当たる)
シオン:「ダイチ!!!」
ダイチ:「ぐっ・・・! 貫通かよ!? くそっ! ガイアの装甲と大盾が ・・・!」
管制AI:「警告。GAIA BASTION(ガイア・バスティオン)の左腕部、機能停止」
ダイチ:「黙りやがれ!!! ガイアは、まだ戦える・・・」
シオン:「ダイチ、後ろだ!!!」
ダイチ:「な!? ・・・ぐああああああああーーー!!!!」 (複数の敵機のビームが、ガイアに当たる)
シオン:「ダイチーーー!!!」
管制AI:「GAIA BASTION(ガイア・バスティオン)、大破。パイロット、戦闘不能判定」
アヤ:「え・・・?」
リツ:「ふん・・・、次の標的は俺か・・・」
(NOX LOGOSが狙撃体勢)
リツ:「敵の行動予測の計算は完璧だ・・・。
感情はノイズ・・・。
集中すればいい・・・」
リツ:「よし・・・、今だ・・・。くっ・・・、何だ、モニターが!?
まさか・・・、敵のハッキング・・・!!?
・・・くっ、敵AIを侮ってたようだ・・・。これまでか・・・」 (敵機のビームが、ノクスに当たる)
シオン:「リツーーー!!!」
管制AI:「中枢演算系ダウン。NOX LOGOS(ノクス・ロゴス)、大破。パイロット、戦闘不能判定」
シオン:「・・・これが、お前の選択の結果だ・・・。・・・アヤ・ミカド・・・!!」
アヤ:「違う・・・。私は、こんな、つもりじゃ・・・」(震え声)
シオン:「何をしている!? 早く下がれ、アヤ!!」
アヤ:「私は・・・、皆を守りたくて・・・」
シオン:「くっ、駄目か・・・。っ!? 敵の攻撃を感知・・・。
・・・こうなったら・・・!」
アヤ:「シオン、どうして前に? 危ないよ・・・」
シオン:「VEIL(ヴェイル)! 遮断フィールド展開・・・!!」
アヤ:「シオン・・・?」
シオン:「このままじゃ全滅だ・・・。お前だけでも、俺が守る・・・」
アヤ:「そんなの、駄目だよ・・・。止めて・・・」
シオン:「くそっ!!! 敵のビームの威力が強すぎる・・・。遮断フィールドが持たない・・・! アヤ、伏せろ!!!」
アヤ:「シオン・・・!」
シオン:「ぐはあああああーーーー!」
管制AI:「遮断フィールド、活動限界。VEIL(ヴェイル)大破。パイロット、戦闘不能判定」
アヤ:「そんな・・・。・・・私が勝手に動いたせいだ・・・」
管制AI:「臨時実戦試験、終了。試験結果、失敗」
アヤ:(N)「私の感情の暴走が、皆の機体を壊した・・・。
目の前に見える大破した仲間のネクサス・ギアと、繰り返し流れる管制AIの音声が耳から離れなかった・・・」
間
アヤ:「全部・・・、私の責任だ。仲間も、皆のギアが壊れたのも・・・。
・・・ごめん、EIRIS(アイリス)・・・私、貴方のパイロット、失格だよね・・・」
ダイチ:「おー・・・、やっぱ、此処に来てたか」
アヤ:「・・・ダイチ。その・・・、体は、もう・・・」
ダイチ:「医者には、まだ安静にしてろと止められた」
アヤ:「そうだよね・・・、本当に、ごめんなさい・・・」
ダイチ:「でもさ、ほら、俺、この通りの性格だからよ~。
じっとなんか、してられねぇんだ!」
アヤ:「・・・」
ダイチ:「お前は悪くない。俺が前に出た。ただ、それだけの話だ・・・」(修理中のGAIA BASTIONを見ながら)
アヤ:「ううん・・・。そうじゃない・・・。私が、暴走せず止まらなきゃ・・・」
ダイチ:「止めるな」
アヤ:「え?」
ダイチ:「皆を守りたかったんだろ? だったら止まらず、前に進むことを考えろ!
良いじゃねぇか~、一度や二度、失敗しても。
これから、戦い方は、学べば良いんだからさ。
・・・お前の、そんな熱い部分、俺は嫌いじゃないぜ!」
アヤ:「ダイチさん・・・」
リツ:「ふん・・・、感情論だな・・・」
アヤ:「リツさん・・・」
リツ:「だが・・・、俺も敵から狙われる迄、動かなかった・・・」
アヤ:「え?」
リツ:「理論を盾にして、誰かが前に出るのを待ってた・・・」
(言った後に、眼鏡を外す)
リツ:「結果は、同じだ。誰か一人の責任じゃない」
アヤ:「・・・」
シオン:「皆・・・、揃ったようだな」
アヤ:「皆さん・・・。
でも私、チームにいる資格、ありません・・・」
ダイチ:「資格なんて、最初からねぇよ」
リツ:「あるとしたら・・・、生き残ったことくらいだ」
シオン:「あぁ、そうだ。・・・それで十分だ」
アヤ:「・・・また、皆さんや、皆さんのギアを壊すかもしれない・・・」(声を震わしながら)
ダイチ:「なら、その時は、俺とガイアが止める!」
リツ:「安心しろ・・・。お前の背後は、俺とノクスが守る・・・。狙撃なら任せろ・・・」
シオン:「感情は、お前が持て良いんだ。・・・お前は、全力で戦え。
心配するな。・・・俺達が、守ってみせる」
アヤ:「皆さん、ずるいです。・・・何で、そんなに恰好良いんですか・・・」
シオン:「チームってのは、だいたいずるいもんだ」
ダイチ:「そして、格好良い物だよな!」
リツ:「ふっ・・・、そういう事にしといてやる・・・」
アヤ:(N)「この時、やっと分かった。
壊れたのは、仲間の信頼じゃない。・・・私の臆病な心だ・・・」
管制AI:「ネクサス・ギア、修復完了予定、72時間後」
アヤ:「皆さん・・・! 訓練、頑張りましょう!!!」
3人:「おーーー!!!」
間
アヤ:(M)「1年前・・・、あの格納庫で。
私は、初めて、一人じゃないんだと分かった・・・」
管制AI:「敵、オーバーマインド、完全起動。戦闘フェーズに移行します」
オーバーマインド:「感情の集合体。非効率で、不安定。排除対象と判断。全て殲滅」
アヤ:「違う・・・。
感情は、選ぶためにある。だから私達は・・・、この戦いで、それを証明する!
EIRIS(アイリス)、行くよ!」
シオン:「VEIL(ヴェイル)! ・・・EIRIS(アイリス)に遮断フィールド展開!
絶対に、お前は守る!! だから、迷わず突き進め!!!」
アヤ:「うん!!!」
リツ:「演算パターン、解析完了。感情を切り捨てた判断、予測しやすい」
人類と、大事な仲間は・・・、殺させない・・・。
よし、捕らえた・・・。今だ・・・!」(敵機を狙撃する)
ダイチ:「リツ! やるじゃねぇか!!!」
リツ:「ふん、これくらい当然だ」
ダイチ:「よっしゃあああああ!!! 次は俺の出番だな!!!
おっと! 残念だったな~!
そんなビームじゃ、装甲を強化したガイアは、貫けねぇよ!!!
アヤ! 壁役は任せろ! 今度は、仲間の機体は壊させねぇ!!!」
アヤ:「ありがとう! ダイチ!!」
ダイチ:「おう!!!」
アヤ:「今だ。シオン、距離を!」
シオン:「了解! 遮断フィールド、最大出力ーーー!」
リツ:「オーバーマインドの巡航艦の中枢を補足。そこまで誘導と援護する。
後は、頼んだ・・・、アヤ・・・!」
間
オーバーマインド:「理解不能。何故、非効率な感情を持つ人間が此処まで辿り着く」
アヤ:「教えてあげる・・・。
感情は、一人じゃ、暴走する。
でも! 皆で力を合わせたら、負けない力になるんだ!!!」
(全力の斬撃)
アヤ:「・・・(荒い息)」
リツ:「オーバーマインドの巡航艦及び、敵機の活動停止を確認した・・・」
ダイチ:「へっ・・・。
やっと、俺達、チームらしくなったな」
シオン:「いいや、違う。・・・あの格納庫の時から、俺達は、かけがえのない仲間だ・・・」
アヤ:「皆さ~ん! 私達の惑星に、帰りましょう!」
ダイチ:「おう!」
リツ:「ふん、そうだな」
シオン:「あぁ、帰ろう、俺達の星へ・・・」
アヤ:(N)「あの格納庫の出来事があったから。
沢山、泣いたり・・・、後悔したから・・・。
そして・・・、大事な仲間に、支えられたから・・・」
アヤ:(N)「今、私は・・・、此処で、こうして仲間と笑顔で生きてられる・・・」
終わり