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華麗なる罠2 -甘美なる裏切り-

 

作者:片摩 廣

 


登場人物

 

ベン:チームのリーダー、世界の大富豪でもある。潜入やアジトからの指示を担当

 

マイク:みんなにアホと言われてるが、実は凄腕のハッカー、ベンを恨んでる

 

ケイト:ベン達のチームの元メンバーだったが、カルロスと組んでた事がばれて、暫く姿を消していた

 
ミッシェル:身体能力はチーム1。恵まれたボディーを利用して時には囮、時には潜入と巧みに使いわけるオールラウンダー
      

ローガン:変装のスペシャリスト。ある時は警察官、ある時は銀行員、と毎回巧みに変装して仲間をサポートする
     変装の幅は、実は男性だけではなく、女性にも変装が出来る

 

ヴィンセント:ケイトの元パートナー。ケイトとは何度か別れているが、ケイトから新たなる仕事を持ち掛けられて、再び組む
 

 


比率:【4:2】


上演時間:【100分】


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CAST


ベン:


マイク:


ケイト、マイクの母:


ミッシェル、ベンの幼少期:


ローガン:


ヴィンセント、ニュースキャスター:


 
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(埠頭の工場前で、タバコを吸ってるケイト。そこに一台のハーレが近寄ってくる)

 


SE:埠頭に響く船の汽笛

SE:ハーレの近付いてくるエンジン音

ケイト:「・・・あら、来たのね・・・。私からのオファーなんて、届いてないと思ってたわ~。
     まだ私の事・・・、覚えてくれてたんだ~」

 

ヴィンセント:「随分、冷たい事、言うじゃねぇか~。・・・俺からのラブコールは、届いてたはずだぜ~」

 

ケイト:「出会った時から分かってたでしょ~? 私は、一人の男に縛られる女じゃないって~」

 

ヴィンセント:「そうだったな~・・・。それでこそ、俺の愛した女だ。なぁ、これを機に、俺達、もう一度~・・・」

 

ケイト:「そうね~、特別に考えてあげても良いわよ~」

 

ヴィンセント:「おい、本気にするぜ? それなら、この後、久しぶりにモーテルに行っても・・・?」

 

ケイト:「やだ・・・! もう、がっつかないでよ~。物事には、順序があるの・・・」

 

ヴィンセント:「何だよ? その気にさせておいて、お預けかよ~・・・」

 

ケイト:「ふふ、甘美なる時間は~、我慢して、我慢し通した後に~、
     相手から貰えたら~・・・、凄~く興奮すると思わないかしら~?」 (ヴィンセントに近寄りながら)

 

ヴィンセント:「焦らすんじゃねぇよ~。・・・俺は何をすれば良いんだ?」

 

ケイト:「簡単な事よ~。・・・私と手を組んで頂戴~」

 

ヴィンセント:「あぁ、良いぜ。・・・どんな山か、早く教えろ~」

 

ケイト:「・・・あら? こんなムードの無い場所で続き・・・? 貴方って、ムードの欠片も無いのね~」

 

ヴィンセント:「随分と煽ってくるじゃねぇか~。此処まで、期待させておいて・・・、分かってるんだろうな?」

 

ケイト:「分かってるわよ~。・・・、夜明けまで、危険な遊びを堪能しましょう~。・・・ふふっ・・・」

 


 

(B&Mカンパニー本社、ビル屋上がカルロスによりミサイル撃破されてから、数か月後。

    街中から離れた森林にあるベンのコテージ)

 


マイク:「・・・はぁ~・・・。・・・この隠れ家での生活も、もう飽きたよ~~~!!! 

                外に遊びに行きた~い! 行きた~い!!」

 

ミッシェル:「マイク、黙りなさい! ・・・あぁ、もう!!! 

                       広いバスルームで、のんびり足を伸ばして、ワインを飲みたい気分よ~・・・」

 

ローガン:「お前達、贅沢ばっかり言ってんじゃねぇよ・・・。・・・此処も案外、快適じゃないか~」

 

マイク:「これの・・・、何処が、快適なんだよ~!! 

                大好きなドーナツのお店も遠いし~、このままじゃ、僕・・・、餓死しちゃうよ~・・・」

 

ローガン:「マイク、お前は、いちいち、大げさなんだよ・・・」

 

ミッシェル:「そうよ~、ローガンの言う通り・・・。・・・あぁ~、でも~、外に自由に出れないのは、堪えるわね~・・・」

 

マイク:「ほらっ、見ろよ~、ミッシェルも、限界が来てる~!!」

 

ローガン:「そうは言われてもな~・・・」

 

ベン:「ふぅ~、お前達の我慢も、そろそろ限界のようだな~」

 

ローガン:「丁度良かった、ベン・・・、聞いてくれよ~」

 

マイク:「ベン!!!! お帰り~!!! ・・・もう、遅いよ~!!!

             僕~・・・、お腹が好きすぎて可笑しくなりそう~・・・!!
     ねぇ、頼んでたドーナツは何処にあるの・・・?」

 

ベン:「安心しろ、ちゃんと手に入れた。・・・ほらっ」

 

マイク:「やった~!!! ベン、愛してる~!!!」

 

ローガン:「はぁ~・・・。・・・ベン、俺の頼んだタバコは何処だ?」

 

ベン:「あ~、それなら、マイクが持っていった袋の中に・・・」

 

ローガン:「何だと!? おいっ、こら待て、マイク!!!」


マイク:「へっへ~ん!! 僕のドーナツは、絶対に、誰にも分けてあげないんだからね~!!」


ローガン:「そんな甘いもん、頼んでもいるか!!! 俺のタバコ~、寄こせってんだ!!!」

 

ベン:「やれやれ~・・・」


ミッシェル:「ねぇ~、ベン・・・。私の頼んだワインは何処にあるのかしら・・・?」

 

ベン:「それなら、此処にある・・・」

 

ミッシェル:「え? これって・・・、私が頼んたワインじゃ無いわ・・・。どうして・・・?」

 

ベン:「・・・ミッシェル。・・・安物のワインなんか、似合うはずがないじゃないか・・・。
    ・・・君には、このペトリュスのように、高価な物が相応しいよ」

 

ミッシェル:「幾ら何でも、高すぎるわ・・・。・・・だって、このワイン・・・」

 

ベン:「世間では、最も高値で取引されるボルドーワインだからとでも、言いたいのかい?
    ・・・安心してくれ。俺は、こんなワイン1本で、どうにかなる男では無い」

 

ミッシェル:「ええ、分かってる・・・。貴方が、想像も付かない大富豪の末裔って事は・・・。
       今まで、何度も・・・、その世間離れした金銭感覚に、驚かされて来たもの・・・」

 

ベン:「その通りだ。・・・なぁ、ミッシェル・・・、聞いてくれ・・・」

 

ローガン:「お~い、ベン・・・、マイクの野郎が~」 (フロアーに戻ってくるローガン)

 

ベン:「このワインは、俺からの気持ちだ・・・。ミッシェル、受け取ってくれないか?」

 

ミッシェル:「ベン・・・。それって・・・」

 

ローガン:「あぁ、悪い・・・。取り込み中か・・・。・・・出直してくるよ・・・」

 

ミッシェル:「あ・・・、ローガン、違うのよ・・・、これは・・・」

 

ベン:「ローガン、すまないな。・・・そうしてくれるかい・・・?」

 

ローガン:「仕方ねぇな~。大事な用なら、ばっちり決めろよ~! じゃあ、俺は・・・、向こうで時間を潰してくる」

 

ベン:「ありがとう・・・。ローガン・・・」

 

 

ミッシェル:「ねぇ、ベン・・・。一体、どういうつもり・・・?」


ベン:「・・・金持ちの単なる道楽とでも思ったのなら違う・・・。俺の真剣な気持ちを伝えたかったんだ・・・」


ミッシェル:「・・・貴方の気持ちは・・・、会った時から気付いてた・・・。でも、私には・・・」

 

ベン:「安心しろ。・・・返事は急がない。・・・ゆっくり考えてくれたら良い・・・」

 

ミッシェル:「ベン・・・」

 


(海の上、クルーザーに居るケイトとヴィンセント)

 


ケイト:「・・・あら、ご苦労様~。それで、上手くいったかしら?」


ヴィンセント:「あぁ・・・。手古摺らされたが・・・、何とかな~。・・・殴りがいがあって、久しぶりに興奮したぜ~」


ケイト:「貴方ったら、相変わらずよね・・・。・・・ねぇ、この後、どうする~・・・?」


ヴィンセント:「決まってるだろ~。此処はニューヨークから離れた海の上で・・・、クルーザーの中・・・。
        ・・・男女が狭い室内で二人っきりなら・・・、やる事は一つに決まってるだろ~・・・」


ケイト:「貴方ったら、そればっかり・・・。ねぇ、ヴィンセント、このデーターの人物を見てくれる?」


ヴィンセント:「あん? ・・・こいつは・・・」


ケイト:「どうやら顔見知りのようね~。・・・そうよ、世界でも有名な大富豪の末裔・・・。
     B&Mの創設者にしてオーナーのベンよ・・・。
     そして・・・、かつての私の仲間・・・」 


ヴィンセント:「何だよ、ケイト・・・。

                           俺からのラブコールを無視してる間に、こんな世間知らずのガキと仲間ごっこを楽しんでたのかよ~」


ケイト:「・・・さっき、貴方が寝かせた男の屋敷に潜入したり・・・、楽しかったわよ~」


ヴィンセント:「どうりで、何処かで見かけた顏だと思ってたら・・・。・・・なぁ、こいつとも、寝たのか?」


ケイト:「ええ、何度か寝たわよ~。男を上手く動かすには、体で操るのが一番ですもの~。
     彼ったら・・・、ベッドの上だと、獣のように激しかったわ~。
     ・・・私を無理やり、押し倒して・・・、何度も、何度も~・・・!」


ヴィンセント:「へぇ~・・・。・・・お前を・・・、そうやって抱いたのか~。・・・絶対に許せねぇな~・・・」


ケイト:「ふふふ・・・、嫉妬からかしら~? ・・・麻酔の量、間違えたんじゃない? ぐっすり寝てるわよ~」

 

ヴィンセント:「安心しろ・・・。・・・海に放り込んで、暫くしたら、目を覚ますように量は調整してある」

 

ケイト:「あら~、それだと、死ぬ瞬間まで、藻搔き苦しみ続けるじゃないの~。・・・もう~、貴方ったら、悪い獣よね~」 

 

ヴィンセント:「弱い獣は、更に強い獣に淘汰される・・・。自然の摂理に過ぎない・・・。
        こいつも・・・、俺には、その自慢の牙が届かなかっただけだ・・・」

 

ケイト:「流石ね~。・・・ねぇ~、私~・・・、何だか、体が熱くなって来ちゃった~」

 

ヴィンセント:「そうか! 待ってろ・・・! 

                           今すぐ、こいつを始末してくる~。よっとおおお・・・!!」 (カルロスを持ち上げる)



ケイト:「・・・本当、男は単純な生き物だから、助かるのよね~・・・。
     ・・・ねぇ、カルロス・・・。貴方の屋敷と、部下・・・。それに、貴方のコレクションの車の数々は~・・・、
     私が、有効活用させて貰うわね~。
     貴方はせいぜい、死ぬまでの間・・・、私を抱いた思い出にでも浸って後悔すれば良いわ~。
     ・・・心ゆくまで・・・。・・・ふふ。・・・ふふふふふ・・・!」

 

 

(街中から離れた森林にあるベンのコテージ 裏に広がる湖畔に設置されてるベンチに座るローガン)

 

ローガン:「ふんっ・・・!!!  (湖畔に向かって落ちている石を投げる)
      ・・・くそっ・・・! ・・・何だって言うんだ・・・。
      ・・・どうして、こんなに腹が立つ・・・!
      ・・・俺は・・・。くっ・・・、何で、こんな時に、あの時の記憶が・・・!!」 

 


(過去 初めてケイトがチームに入った日の夜 
 パーティー会場から、抜け出し橋の見える路上で、一人、佇むローガン)

 

ケイト:「・・・あの・・・、ローガンさん・・・」

 

ローガン:「ケイトか? 俺の跡を付けて来たのか・・・?」

 

ケイト:「はい・・・。パーティー会場から・・・、ローガンさんが、出てくのが見えたので・・・、気になりました・・・」

 

ローガン:「そいつは、悪い事をしたな・・・」

 

ケイト:「あの・・・、ご気分でも優れませんか・・・?」

 

ローガン:「そうじゃない・・・。・・・少し、夜風に吹かれて、酔いを覚ましたかった・・・。それだけの事だ・・・」

 

ケイト:「そうですか・・・。・・・私も、少し一緒に居て・・・、良いですか・・・?」

 

ローガン:「おいおい・・・、幾ら何でもパーティーの主役が抜けたままじゃ、ベン達も・・・」

 

ケイト:「良いんです・・・。・・・私も、あのパーティーは・・・、少し疲れちゃいましたから・・・。それに・・・」

 

ローガン:「・・・まだ、人とのコミュニケーションは、怖いのか・・・?」

 

ケイト:「はい・・・。・・・やっぱり・・・、無理してでも、慣れなきゃ駄目ですよね・・・。
     ・・・折角、ベンさんが、こんな私をチームに誘ってくれたのですから・・・」


ローガン:「そんなに深刻に考えるな・・・。少しずつ、慣れていけば良いんだ。
      ・・・まぁ、でも、流石に筆談からは驚いたけどな・・・」

 

ケイト:「あれは・・・、緊張し過ぎて、声が出なかったんです・・・。でも、皆さんに、私の気持ちは伝えたい・・・。
     悩んだ末に・・・、考えた行動です・・・」


ローガン:「ケイトなりに頑張った結果だな。・・・ミッシェルの、あんなに驚いた顔は初めてみたから、面白かったけどな」


ケイト:「はぁ~・・・。皆、とても明るい方々で羨ましいです・・・。
     私みたいに、地味で明るくない性格では・・・一緒に居られるか不安です・・・」 


ローガン:「あのな~、少し気楽に考えろ。
       ベン達と、いつも一緒に居ろとは、誰も言ってないだろ~。
       ケイト・・・。・・・お前が一人になりたいと思ったら、

                    好きな時間に、こうして、夜風に当たりに来ても良いんだ・・・」


ケイト:「ローガンさん・・・。・・・そうですね・・・。

                息詰まった時は、そうします・・・。・・・ローガンさんは、優しいんですね・・・」

 

ローガン:「馬鹿・・・、そんなんじゃねぇよ・・・。俺は・・・」

 

マイク:「あ~!!! ケイトったら~、こんな所に居たんだね~!!!」

 

ケイト:「・・・マイクさん・・・」


マイク:「あれ? ローガンも一緒だったんだ~」

 

ローガン:「チッ・・・、見つかっちまったか・・・」

 

マイク:「ねぇ、二人で、何の話で盛り上がってたの~?」

 

ケイト:「え・・・? それは・・・」

 

ローガン:「何でもない。・・・ケイトに、此処からの景色は綺麗だと、教えてたのさ~」  

 

マイク:「な~んだ! そうだったんだ~! 本当だ~!!! 此処から見る橋、凄く綺麗だ~!!!」


ケイト:「とても・・・、綺麗ですね・・・」


ローガン:「そうだな~。俺には、眩しいくらいに、輝いてる・・・」


マイク:「もう、何、柄にもない発言してるのさ。・・・わかった~!!! ・・・それって、何かのジョーク?」


ローガン:「マイク、お前な~!!!」


マイク:「あっ!!! ベン~!!! ミッシェル~!!! こっち、こっち~!!! ローガンとケイト、此処に居るよ~!!!」

 

ミッシェル:「もう、マイク・・・。いきなり駆け出さないで頂戴・・・。・・・見失うかと思ったわよ・・・」


ベン:「ミッシェルの言う通りだ。・・・全く、お前はいつも予想外の行動に出る・・・」


マイク:「ごめんね、ベン・・・」


ケイト:「あの・・・、ベンさん・・・」


ベン:「ケイト、ローガン!! 居なくなるなら、一言、声を掛けてからにしれくれ・・・! 

            ・・・急に消えたから、心配したんだぞ・・・」


ローガン:「ベン、すまなかったな・・・」


ケイト:「・・・ベンさん・・・、パーティー会場から・・・、黙って抜けだして・・・、すみません・・・」


ベン:「・・・」


マイク:「もう~!!! ベンったら、顔が怖いよ~。・・・ほらっ、スマイル、スマイル~!!!」


ミッシェル:「ちょっとマイク・・・!!! 今は流石に・・・!」


マイク:「眉間にしわを寄せてたら、すぐにおじいちゃんになっちゃうよ~、ベン!!! ねっ、スマ~イル~!!」



ベン:「ぶはっ・・・」(堪えきれずに笑う)


ミッシェル:「え? ちょっと!? ベン・・・!?」


ベン:「いや、すまない・・・。
    ・・・そうだな~! マイクの言う通りだ~・・・。
    ローガン・・・、ケイト・・・、怒鳴って悪かった・・・」


ケイト:「そんな・・・。ベンさんが謝る事じゃ・・・」

 

マイク:「いいや、ベンが怒鳴るのが悪い・・・。だから、ケイトは悪くないよ~。
     それに、ケイトは・・・、会場の雰囲気に、少し疲れちゃったんだよね~?」

 

ケイト:「えっと・・・、私・・・」


ローガン:「おお、マイク、たまには良い事、いうじゃねぇか。
      ・・・悪い、ベン・・・。俺も、あんなに豪華なパーティーは息が詰まる・・・。
      出来れば、もう少し一般向けの会場と料理を頼む・・・」

 

ミッシェル:「そうよ、ベン。・・・今回の会場は、流石に張り切り過ぎよ~・・・」

 

ベン:「俺は、皆が喜ぶと思って、最高級の会場と料理を用意したんだが・・・、皆には合わなかったようだな・・・」

 

マイク:「う~ん、豪華なパーティーも魅力的だよ~、
     でも普段は、もっと皆で、気軽に楽しめる場所と食べ物が良いんじゃないかな~」

 

ベン:「気軽にか~。・・・検討してみる・・・」

 

ミッシェル:「あ~あ、これだから、大富豪の世間知らずは、放っておけないのよね~。
       安心して~ベン。・・・私が、世間の常識を、ゆっくり教えてあげるわ~・・・」

 

ベン:「ありがとう、ミッシェル。・・・宜しく頼む」

 

ミッシェル:「ええ、任せておいて」

 

ローガン:「・・・」


ケイト:「・・・ローガンさん? ・・・どうか、されましたか・・・?」


ローガン:「何でもない・・・。少し・・・、夜風を楽しんでただけだ・・・」

 

ケイト:「そうですか・・・」

 


マイク:「あっ、良い事、思い付いた~!!!」


ミッシェル:「もう、いきなり大声を出さないでよ!!」


マイク:「えへへ、ごめんね~」


ベン:「マイク、良い事って何だ?」


マイク:「それはね~、・・・チームが結成されて、最高の夜だし~、皆で記念写真が撮りたいな~って!」


ローガン:「写真だと? 俺は別に良いよ・・・」


ミッシェル:「あら、私は、賛成よ」


ローガン:「おい、ミッシェル・・・」


ミッシェル:「良いじゃない。・・・こんなに綺麗な夜景なのよ~、皆で撮りましょう!」


ローガン:「はぁ~・・・、分かったよ~、俺の負けだ」


マイク:「ローガン、ありがとう~!!! それで、ベンとケイトは~?」


ベン:「勿論、オッケーだよ」


ケイト:「私も・・・、皆さんと一緒に・・・、撮りたいです・・・」


マイク:「わ~い!!! じゃあ、撮るから、皆、そこに並んで。・・・あ~、ローガン、もっと皆とくっついて~」


ローガン:「・・・こんな風にか・・・?」


マイク:「そうそう、良い感じ~。・・・皆、もっとスマ~イル!! 
     良いね!!! 良くなった!!! じゃあ、撮るからね~!!!」

 


SE:カメラのシャッター音

 


ローガン:「・・・あの時の写真・・・、未だに肌身離さず持っているとは・・・、我ながら、どうかしてるな・・・。
      ・・・ケイト・・・(小声)」

 

マイク:「あれ~!!!? その写真~!!!!」

 

ローガン:「マイクっ!!! いつの間に来たんだ!!!?」

 

マイク:「ローガンが物思いに耽てたから、そっと近付いたんだ~・・・。
     あ! その写真、持っててくれたんだ~」

 

ローガン:「俺らしくないって言いたいんだろ?」

 

マイク:「ううん・・・。ローガンらしいよ・・・。・・・ねぇ、こんな所で・・・、どうしたの?」


ローガン:「気になるのか?」


マイク:「珍しく、湖畔に居るからさ。なんか悩み事かな~って・・・」

 

ローガン:「何でもない・・・。少し考え事をしてたんだ、気にしなくて良い」

 

マイク:「そっか~・・・。・・・ねぇ、ローガン・・・」


ローガン:「何だ?」


マイク:「悩みがあるなら、いつでも力になるから~、遠慮せずに言ってよね~・・・」 


ローガン:「ありがとう・・・マイク。・・・そうする。・・・じゃあ、俺は先に戻る」


マイク:「分かった。また後でね~!」

 

(ローガンが湖畔から去る)


 

マイク:「・・・ふふ・・・、面白くなって来た・・・。
     ・・・(着信が鳴る)
     おっとナイスタイミング・・・。・・・もしも~し、元気にしてたか~い?」

 

ケイト:「あら~、いつになく、声色が明るいわね~。何か良い事でもあったのかしら~?」

 

マイク:「・・・ケイト・・・。本当に、君は良い仕事をしてくれたよ~・・・」

 

ケイト:「え? 何よ、いきなり褒めてくるなんて珍しいじゃない・・・!」


マイク:「褒めたい気分だったんだよ~。・・・それで、連絡をして来たって事は、そっちも何か進展でも?」


ケイト:「ええ、貴方に、紹介したい人が居るの」


マイク:「へぇ~・・・、どんな人・・・?」


ケイト:「カルロスよりも、優秀で・・・、頼りになる男よ~」


マイク:「その言い方だと、まさか・・・?」


ケイト:「ええ、早速、働いて貰った所よ~。
     カルロスは~・・・、ふふふ・・・、今頃~、鮫の群れと戯れてる所かしら~」


マイク:「・・・ちゃんと始末したなら問題ないよ。よくやったね、ケイト」


ケイト:「会った時に、貴方の良い事も教えてくれる?」


マイク:「勿論だよ。・・・おっと、ミッシェルからだ・・・。じゃあね、ケイト・・・」


ケイト:「ええ、また・・・」


マイク:「・・・もしもし、ミッシェル、どうしたの~?」


ミッシェル:「マイク、ベンが大事な話があるみたいなの。すぐ戻って来て」


マイク:「分かった、すぐ戻るよ~」


 

ローガン:「おっ、戻って来たようだ」


ミッシェル:「あら、マイクにしては珍しく早いわね~」


マイク:「・・・はぁ、はぁ~、急いで走って来たよ~!! それで、大事な話って・・・?」


ベン:「皆、集まったようだな・・・。この数カ月・・・待たせてしまってすまない。
    ・・・ようやく、準備が整ったよ・・・」


マイク:「ねぇ、それってもしかして~?」


ベン:「あぁ、新しい俺達の活動拠点だ。・・・場所は、今から皆の端末に送る。それと、これも渡して置く」


ミッシェル:「このカードは、何・・・?」


ベン:「新しい拠点のキーだ。
    ・・・このカードには、我が財閥が独自に開発した指紋認証システムが組み込まれている。
    だから、万が一、紛失したり、盗まれたとしても・・・、拠点に侵入する事は不可能だ」

 

ミッシェル:「念には念を入れてるのね。・・・やはり、お金持ちは凄いわね~」

 

マイク:「ちょっとベン!! このカードは、僕も初耳なんだけど~!!!」


ベン:「悪いなマイク・・・、今回は急を要したから、我が財閥のみで準備したよ」


ローガン:「へぇ~、いつの間に、こんな物~、用意したんだ?」


ベン:「B&Mが爆破された翌日からだ」


ローガン:「嘘だろ・・・。お前のメンタルは、ダイヤモンドかよ・・・」


ベン:「リーダーだから、落ち込んでる暇は無いんだ。・・・それに・・・」


ローガン:「何だよ?」


ベン:「此処に隠れながらの生活も・・・、早く解消してやりたかったのさ・・・。
    ・・・皆、数カ月の間・・・、よく耐えてくれた・・・。
    ・・・準備は整った・・・。活動を再開だ!!」

 

マイク:「待ってました~!!」


ローガン:「それで、その立派な新拠点には、どうやって行くんだ?」


ベン:「心配するな。既に迎えのヘリを手配している」


ローガン:「流石、金持ちは違うな」


ミッシェル:「・・・ベン、此処は、どうするの?」


ベン:「万が一、此処が見つかり、荒らされては困るからな・・・。俺達が出発した後に、爆破する予定だ」


ミッシェル:「爆破・・・。やる事が派手よね~・・・」


ベン:「・・・ん? ・・・どうやら、迎えのヘリが到着したようだ。・・・皆、行くぞ」

 

 

ケイト:「ふふふ・・・」


ヴィンセント:「どうした? 何か、嬉しい事でもあったか?」


ケイト:「ええ、良い知らせが届いたわ~。・・・洞穴に身を潜めていた兎ちゃんが、ようやく巣穴から出て来たのよ~」


ヴィンセント:「兎狩りか。ふっ・・・、纏めて、喰い殺してやるさ」


ケイト:「貴方の、そんな獰猛な部分も~、私~、好きよ~。・・・ねぇ~、ヴィンセント~」


ヴィンセント:「色仕掛けは無駄だ。・・・お前は、何か企んでる時に、男を求めたがるのは分かってる」


ケイト:「流石ね~。
     カルロスは、従う振りして、飴と鞭を使い分けていれば、手玉に取れたのに~。
     貴方は、そうも行かないから~、・・・ふふっ・・・、手懐けがいがあるわ~」


ヴィンセント:「俺をサーカスのライオンと一緒にするんじゃね~。
        そんな風に、挑発ばかりするんなら、俺にも考えがある。
        朝方までベッドで、思う存分、可愛がってやる」


ケイト:「あら、素敵な提案じゃな~い。良いわよ~、腰が立たなくなるくらい、楽しませて頂戴~」

 

ヴィンセント:「あぁ、望み通りにしてやる・・・!」

 

ケイト:(M)「本当・・・、男って単純・・・。
        ・・・ふふふ、準備も出来たし、待っていなさい・・・。ベン・・・!」

 



(新しい活動拠点に着いたベン一行)

 

マイク:「う~ん、網膜スキャン・・・。・・・。・・・よし、完了」


ローガン:「あ~、指紋認証もクリアっと・・・」


ベン:「皆、ようこそ! 此処が、俺達の新しい活動拠点だ!」


マイク:「うわああああああああ!!! 何もかもピカピカだ~!!! 

                ねぇ、ベン! 向こうに設置されてる機械、見に行っても良い~?」


ベン:「あぁ、良いよ。見に行って来い」


マイク:「やった~~~!!!」


ローガン:「マイクの奴、はしゃぎやがって~」


ミッシェル:「まるで子供よね~。・・・ねぇ、ベン・・・」


ベン:「何だ?」


ミッシェル:「当然、シャワー設備もあるのよね?」


ベン:「それなら、そっちの螺旋階段を下りて、下の階に行くとある。今回は、ジャグジーも備えたよ」


ミッシェル:「良かった~。じゃあ私、少しのんびりしてくるわね~」


ローガン:「おいっ、ミッシェル・・・。はぁ~・・・」


マイク:「ベン! ベン!!」


ローガン:「はぁ~、馬鹿が戻って来た・・・」


マイク:「ちょっとローガン、今の悪口、聴こえたからね~!!」


ベン:「マイク、気に入ったか?」


マイク:「うん!!! 3Dプリンターも最新式だし、稼働させるのが楽しみだよ~」


ローガン:「はぁ~・・・。・・・なぁ、ベン、この拠点には、お酒は置いてないのか~?」


ベン:「上の階に行けば、皆の居住スペースと、娯楽スペースがあるよ。そこにバーカウンタと、お酒も沢山用意してある」


ローガン:「何だ、それを先に言えよ。・・・じゃあ俺は、上に行って飲んでくる」


マイク:「あ、ちょっと、今、まだ任務の時間が~」


ローガン:「固いことは言いっこなしだぜ。・・・文句ならミッシェルにも言うんだな~」


マイク:「もう~・・・」


ベン:「マイク・・・、お前も少し、休んでくれ。・・・移動に疲れただろう?」


マイク:「僕なら平気さ。・・・ねぇ、ベン。・・・ローガン、様子が変じゃ無かった?」


ベン:「いいや、いつも通りだと思うが?」


マイク:「それなら良いんだ。・・・じゃあ、僕も、少し休もうかな~」


ベン:「あぁ、そうしてくれ」

 


(橋の見える丘に到着したケイトとヴィンセント)

 


ヴィンセント:「此処は何だ?」


ケイト:「私の生まれた場所よ・・・」


ヴィンセント:「こんな冴えない場所がか?」


ケイト:「大事な場所なんだから、悪く言わないで・・・」


ヴィンセント:「・・・そんな思い出の場所に連れて来て、何がしたいんだ?」


ケイト:「貴方は、黙ってこれから来る男を、しっかり観察してなさい」


ヴィンセント:「男と待ち合わせしてるのかよ? 何処のどいつだ!!!」


ケイト:「ちょっと興奮しないで! ・・・待ち合わせじゃないわよ。・・・何となく、来る気がするだけよ」


ヴィンセント:「何だよ、それは~」

 


(新しい活動拠点 ジャグジーから戻ってきたミッシェル)

 

ミッシェル:「ふぅ~、さっぱりした~」


ベン:「お帰り、ミッシェル」


ミッシェル:「ジャグジー、気持ちよかったわよ。貴方にしては、気が利いてるじゃないの」


ベン:「それはどうも。・・・なぁ、ミッシェル、上の階には、居住スペースと、娯楽スペースが用意してある。
    良ければ、これから、お酒でも一緒に・・・」


ミッシェル:「ん? 警報!? 一体、何事なの!?」


ベン:「まさか・・・!!!」


ミッシェル:「ねぇ、ベン! 何処に行くのよ!」


マイク:「うわああああああ!!! 何々!? この警報は、一体、何が起きたの!?」


ベン:「マイク、休んでたところ済まない!! 

            ・・・そこのモニターを操作して、地下2階の車両スペースを写してくれないか?」


マイク:「・・・OK、僕に任せてよ! 

                ・・・。ふうん、このシステムは、こうなってるわけか・・・、なるほど・・・。 (キーボードを操作する)
      ・・・よし、防犯カメラにアクセス、完了っと!!」


ベン:「流石だな。・・・ん・・・。・・・やはり、そうか・・・」


ミッシェル:「ねぇ、一人で納得してないで説明して!!」


ベン:「車両スペースに置いてあったランボルギーニが無くなってる・・・」


ミッシェル:「え? それじゃあ・・・」


ベン:「あぁ・・・、ローガンが勝手に拠点から出て行った・・・」


ミッシェル:「そんな・・・。ねぇ、車に追跡装置は・・・?」


ベン:「一応、付けてはいるが・・・」


マイク:「それなら、僕に任せて! すぐにローガンの居場所を・・・」


ベン:「待つんだ! マイク!!」


マイク:「もう! 何で止めるのさ!」


ベン:「ローガンにも、何か考えがあっての行動なんだろう・・・。今は、待つんだ・・・」


マイク:「はぁ~・・・、分かったよ~」


ミッシェル:「ローガン・・・。・・・何処に行こうというの・・・」

 


(橋の見える丘)

 

ヴィンセント:「ん? あれは、ランボルギーニ・・・。何処の金持ちが乗ってるんだ?」


ケイト:「どうやら、来たようね・・・」


ヴィンセント:「おい? お前の待ち人は、金持ちの坊ちゃんかよ!!」


ケイト:「シッ!! 少し黙って頂戴!!」


ヴィンセント:「チッ・・・」


ケイト:「はい、これ」


ヴィンセント:「何だ? この機械は?」


ケイト:「小型通信機よ。これを耳に付けたら、私達の会話は聴くことが出来るわ」 


ヴィンセント:「黙って此処で聴いてろってか・・・」


ケイト:「ええ、その通りよ。お利口にしてて頂戴」

 


ローガン:「はぁ~・・・、一体・・・、俺は、こんな所まで来て、何をしたいんだ・・・」
      ・・・くそっ・・・、火が付かねぇ~・・・」


ケイト:「あ~ら、ローガンじゃない。この場所、まだ覚えてたんだ~」

 

ローガン:「ケイト!? どうしてお前が此処に居るんだよ・・・。
      ・・・よく俺の前に、現れられたもんだな・・・」


ケイト:「いかにも私の事を恨んでるって言い草ね。まぁ、それも当然よね~。
     貴方達を騙して、殺そうとしたんだもの~」


ローガン:「だが、残念だったな。・・・無事に脱出したから、この通り生きてるよ」


ケイト:「あら、貴方の事だから死んでたとしても・・・、私の周りに、幽霊として付きまといそうよね~」


ローガン:「あぁ、一生、許さなかっただろうな・・・」


ケイト:「ねぇ、ベン達は、元気にしてる?」


ローガン:「あぁ・・・、相変わらずだよ・・・」


ケイト:「な~に? その返事。・・・何かあったの?」


ローガン:「裏切ったお前には、関係の無い事だ」


ケイト:「あら、そう。・・・ねぇ、此処からの景色、あの頃と変わらず、綺麗よね~」


ローガン:「相変わらず、俺には、眩しいくらいに、輝いてる・・・」


ケイト:「そう、その言葉よ。・・・何だか懐かしいわね~・・・。
     私ね・・・、あのチーム、そこまで、嫌いじゃなかったのよ~」


ローガン:「なら、どうして裏切った?」


ケイト:「それは・・・、ビジネスの為かしら。
     お金だけは・・・、私を絶対に裏切ったりしないから・・・」  ※


ローガン:「そういえば、お前の過去は、聞いた事が無かったな・・・」


ケイト:「あら、私の過去に興味があるの?」


ローガン:「一度は、惚れそうになった女の過去だからな」


ケイト:「ふふふ・・・、今の言葉、ミッシェルが聞いたら、私、嫉妬で殺されちゃうかも~」


ローガン:「ミッシェルは、大丈夫だよ・・・。・・・俺とは、もう終わったんだ・・・」


ケイト:「そうなの。・・・もしかして、ミッシェルは、ベンと~・・・?」


ローガン:「あいつは俺と違って、初めから何でも持ってるからな・・・。
      富も、名声も、何もかも・・・」


ケイト:「ふ~ん。でも、いかにも金持ちの坊ちゃんよね~。
     自信に満ち溢れていて、俺がリーダーだと言わんばかりに、いつも偉そうで~。
     そっか~、ミッシェルも金持ちに惹かれちゃったのね~。
     見る目が無いわね~」


ローガン:「何だと?」

 

ケイト:「貴方の魅力が分からないなんて、本当、馬鹿な女。
     貴方は・・・、野望を瞳の奥に秘めてる、魅力的で危険な男なのに~」

 

ローガン:「野望・・・。富も無い俺には、無縁の言葉だ・・・」


ケイト:「でも、今の貴方は~、欲しくて堪らないって顔してる。
     ・・・ローガン、我慢するだけ馬鹿よ。
     貴方の才能があれば、掴めないものでも無いって気付いてる?」


ローガン:「ケイト・・・、今度は何を企んでる?」


ケイト:「あら、私は、本音で話してるだけよ~」


ローガン:「絶対に諦めたくなくて、欲しくなったら・・・、その時は・・・、我慢しなくて良いのか・・・?」


ケイト:「そうね~、私なら全力で戦って、手に入れるわね~。
     人生は一度きりよ~。それなのに、どうして、我慢する必要があるわけ~?」

 

ローガン:「相変わらず、欲望に忠実な女だな」


ケイト:「ローガンさん・・・。・・・私のこと・・・、そう思ってたんですか・・・?」


ローガン:「その恰好で、その演技と口調は似あってね~よ」


ケイト:「あははははは! そうよね~! でも、懐かしくなかった~?」


ローガン:「あぁ~、結成当時を思い出したよ~」


ヴィンセント:「チッ・・・。野郎・・・、あんなにケイトに近付きやがって・・・」



ケイト:「ねぇ、良かったら、貴方の過去も話して」


ローガン:「・・・俺の過去ね~。・・・何の面白みのない人生だよ。
      ベンと違って、俺は~、貧しい家に生まれたからな。
      だから、それなりに苦労もしたもんだ・・・。
      明日、食べる物にも、困る時もあった・・・。
      ・・・生きていく為に、変装も必死に習得した・・・。
      なりふり構わず裏稼業で生きてる内に、気付いたら、名声を手に入れてたんだ」


ケイト:「私達、似てるわね・・・。
     私は望まれて、産まれたわけではなかったわ・・・。
     私の母はね~、大富豪の愛人として過ごしたのよ。
     ・・・その大富豪と母の間に出来たのが、私ってわけ・・・。
     ・・・世間からは、良き愛妻家と思われている陰で、母と会っては、その男は情事を楽しんでいた・・・。
     母は、その大富豪に夢中で、私には、愛情を向けてくれた事は、一度も無かったわ~・・・。
     お金だけ、私に渡すと、さっさとそいつの元に行く母を見て・・・、私は嫌悪感さえ感じたわ・・・」 

 

 

 

ローガン:「その大富豪って、まさか・・・!?」


ケイト:「察しが良いのね。・・・えぇ、そうよ。
     ・・・だから私は、ベンに近付き、カルロスを手玉に取って復讐を考えたの・・・。
     でも、ベンの方が頭が良くて失敗しちゃった・・・。
     あの時、貴方達の前から逃げた後、暫くしてから・・・、
     ベンが生きてるのを知った時には・・・、悔しくて堪らなかったわ・・・」

 

ローガン:「ベンの父親が、そんなクソ野郎だったとはな・・・」


ヴィンセント:「へぇ~・・・。あの金持ち・・・、そんな秘密を持っていたのか・・・」

 


ケイト:「私も、普通の家庭に生まれていたら~、こんなに歪んだ性格になってなかったかも知れないわね~。  
     そんな人生を歩んだから・・・、私が世の中で信じられるのは、お金だけになった・・・。
     愛情なんて、ただの瞞(まやか)しに過ぎないのよ・・・」

 

ローガン:「分かる気がする・・・」

 

 

(新しい活動拠点 ローガンからの連絡を待ってるベン一行)

 

ミッシェル:「・・・ねぇ、ベン・・・、まだローガンから連絡は・・・」


ベン:「あぁ、来てない・・・」


ミッシェル:「やっぱり心配よ・・・。もしもの事があったら、どうするのよ・・・」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「もう良いわよ。・・・マイク、ローガンの居場所を探索して」


マイク:「え? でも~・・・」


ミッシェル:「良いから早くしなさい!!!」


マイク:「ひいいいいい・・・! ・・・はぁ~、分かったよ・・・。今、調べるから待って・・・」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「ねぇ・・・ベン。・・・さっきから黙って何を考えてるの・・・?」


ベン:「ローガンの事を考えていた・・・。こんな所で、俺との勝負を逃げ出すのなら・・・」


ミッシェル:「勝負って一体、何の事?」


ベン:「・・・」


マイク:「二人共、ローガンの居場所が分かったよ!」


ミッシェル:「マイク・・・、やれば出来るじゃない! それで、ローガンは何処に居るの?」


マイク:「ローガンの居場所だけど・・・、此処って・・・」


ベン:「あぁ・・・、あの場所だな・・・」


ミッシェル:「皆で記念写真を撮った場所よね・・・」


ベン:「あぁ、その通りだ」


マイク:「・・・あの時は、ケイトも一緒に・・・、皆で撮影したよね・・・」


ミッシェル:「ええ、そうだったわね・・・。はっ!? ・・・まさか、ローガンが出てった理由って!?」


ベン:「・・・最悪の事態は、考えて置いた方が良いだろうな・・・、二人共・・・、急ぐぞ・・・!」


ミッシェル:「えぇ!」


マイク:「僕、車の用意してくる!」

 

 

ケイト:「つい、昔話に熱が入っちゃったわね~・・・。ねぇ・・・、ローガン・・・」


ローガン:「何だ?」


ケイト:「私ね・・・」


ローガン:「おい、ケイト・・・! 何をする・・・、離れろ・・・」  



ヴィンセント:「ケイト・・・、なんであの男に近寄るんだ・・・。くそっ、見てるだけじゃ我慢ならねぇ~・・・」


ケイト:「貴方の事・・・、今でも・・・、好きよ・・・。

                だから・・・、ね・・・、良いでしょ?」(ローガンの首に腕を回しキス、しようとする)


ローガン:「おいっ、首に手を回すな・・・。俺は、お前とそんな気は・・・、うっ・・・」


ケイト:「ふふふふ・・・。お休みなさい・・・。ローガン・・・」 (ローガンを抱き寄せる)


ヴィンセント:「この野郎~!!!! 今すぐケイトから離れろ~!!!
        覚悟しやがれ!! 殺してやる!!!」

 

ケイト:「落ち着きなさい! ヴィンセント! ・・・ローガンは、眠ってるわ」


ヴィンセント:「眠ってるだと!? ・・・お前がやったのか?」


ケイト:「えぇ、そうよ。・・・近付いた瞬間に、このブレスレットに仕込んだ麻酔針でね~。
     さっ、早く車に運んで頂戴」


ヴィンセント:「ヘイヘイ・・・。仰せのままに・・・」

 

ケイト:「早くして頂戴。・・・どうやら、お客さんが来たみたいよ・・・」

 

 

マイク:「ふ~・・・、到着したよ・・・」


ベン:「マイク・・・、此処までの運転・・・、ありがとう・・・」


マイク:「全く、ベンったら、僕が居ないと、何も出来ないんだから~」


ミッシェル:「・・・ローガン!! ねぇ、何処に居るの!? ローガン!!」


マイク:「あらら~、ミッシェルったら、急に飛び出して行くなんて・・・」


ベン:「マイク・・・、俺も外を探してくる・・・」


マイク:「ちょっと待った! ・・・これを持って行って」


ベン:「これは?」


マイク:「僕の開発した骨伝導型通信機だよ。・・・ミッシェルの分も、持って行ってあげて」


ベン:「あぁ、そうする」

 

 

ケイト:「あら、相変わらず、仲が良いのね~・・・。ふふふ・・・、あんなに慌てて、探すなんて・・・。
     でも、一足、遅かったわね~。
     ・・・ヴィンセント!」


ヴィンセント:「今度は何だ?」


ケイト:「貴方にプレゼントよ。・・・これで少し、彼らと遊んであげて~」


ヴィンセント:「ほぉ~、これは、良い品物だな~・・・。任せろ!」


ケイト:「じゃあ、私は一足先に行くわね~。行き先は、貴方の端末に送っておいたわ~」


ヴィンセント:「へへへ・・・。すぐに片付けて、俺も向かう・・・」

 


ミッシェル:「ローガン~!! 居るなら返事して!! ・・・一体、何処に居るのよ・・・」


ベン:「ミッシェル・・・。はぁ~・・・、追いついた・・・。バンから、いきなり飛び出すな・・・!」


ミッシェル:「ベン・・・。ごめんなさい・・・。ローガンが心配だったのよ・・・」


ベン:「気持ちは分かるが、敵も居るかもしれないんだ。もう少し慎重に行動してくれ・・・」


ミッシェル:「分かったわよ・・・」


ベン:「それと・・・、これは、マイクからだ」


ミッシェル:「ありがとう・・・」


ベン:「マイク、聴こえるか? ミッシェルに、ちゃんと渡したぞ」


マイク:「あー、ちゃんと聴こえてるよ。・・・ありがとう、ベン。・・・ミッシェル、少しは落ち着いた?」


ミッシェル:「ええ、勝手な行動して悪かったわよ・・・」


マイク:「ミッシェルが素直に謝るなんて、明日は空から、矢が降って来たり・・・」


ミッシェル:「マイク~!!! あんたね!!!」


マイク:「うわああああああああああああ!!!!」


ベン:「どうした!? マイク!?」


マイク:「ベン!!! 大変だよ!!! 何者かに、バンが攻撃されてるよ!!!」


ミッシェル:「攻撃ですって!? ちょっとマイク、大丈夫なの!?」


マイク:「う~ん・・・、防弾対策も、一応はしてるけど・・・、ひいいいいいいい!!!」


ミッシェル:「叫んでないで、ちゃんと答えて!!!」


ベン:「マイクが心配だ!!! バンに戻るぞ!!」


ミッシェル:「ええ!!」

 


ヴィンセント:「へぇ~・・・。随分と頑丈な車両じゃねぇか・・・。挨拶代わりのマシンガンは効果なしか・・・。
        じゃあ~、此処は、やはり・・・、これの出番だな・・・!!!」

 

マイク:「一体、敵は何処から・・・。この僕の大事なバンに、傷を付けようとするなんて許せない!
     ・・・このバンを甘く見ないでくれないかな。
     よし・・・、熱センサー、起動っと・・・。
     さ~て・・・、こんな事をする不届き者は、何処に隠れてるんだ~・・・」

 

ヴィンセント:「ケイトのセンスは完璧だな・・・。これなら、あの頑丈なバンの装甲も・・・」

 

マイク:「熱センサーに、ヒット! 
     よ~し、後は、どんな武器で攻撃して来てるかだ・・・。
     う~ん、この威力だと、マシンガンって所かな~。
     それなら、こっちは、搭載してるガドリングガンで・・・、え!? この反応は、まさか・・・!?」

 

ヴィンセント:「まずは試しに一発、お見舞いしてやるぜ・・・。おらよ!!!」  (バンに向かって撃つ)

 


(バン目掛けて、対戦車ライフルを撃つヴィンセント)

 

マイク:「うわああああああ!!! ・・・この威力・・・、間違いない・・・!! 対戦車ライフルだ・・・。
     くっ・・・、バンの装甲・・・、約40%、損傷・・・。
     不味いよ~・・・。流石に、こんな威力のある武器を、何度も食らったら装甲が持たない・・・!!!」

 

ヴィンセント:「うっひゃあああ!!! 良いね~!!! この火力と威力~!!!
        さぁ、いつまで持つか、お楽しみタイムと行くか・・・!!! おらっ!!!」  (バンに向かって撃つ)

 

マイク:「ひいいいいいいい!!! ・・・バンの装甲・・・、70%、損傷・・・。
     各システム・・・、エラー発生・・・。
     くっ・・・! 仕方ない・・・。ごめんね・・・、僕のバン・・・」

 

ヴィンセント:「これで、仕上げだ!!! ・・・くたばれ!!!」 (バンに向かって撃つ)

 


ミッシェル:「はぁ、はぁ、バンが見えた・・・!! ・・・え!?」


ベン:「いかん! 伏せるんだ!!! ミッシェル!!!」


ミッシェル:「っ!!」


ベン:「っ!!!」

 

(対戦車ライフルに耐え切れずに、貫通して、大爆発を起こすバン)

 

ヴィンセント:「はっははははは!!!!  跡形もなく吹っ飛んだぜ~!!!!
        あ~、すっきりした~!!! さ~て、ケイトの元に向かうか~!! はっははははは!!!!」

 


ミッシェル:「私達のバンが・・・。ねぇ・・・、マイク!!! 応答して!!! マイク!!!」


ベン:「マイク・・・」


ミッシェル:「返事が無いわ・・・。そんな嘘よね・・・、マイク!!!!」


マイク:「痛ったたた・・・。・・・バンの床に、緊急脱出口を作って置いて助かった~・・・」


ミッシェル:「マイク~!!! 無事だったのね~!!!」


マイク:「うわっ!! ミッシェル・・・、いきなり抱きしめないで!! 苦しいよ~・・・」


ミッシェル:「あら、ごめんなさい・・・」


ベン:「マイク・・・、無事で良かった・・・」


マイク:「僕は無事だよ・・・。でも、僕の愛情を込めてカスタマイズしたバンがああああ・・・」


ベン:「命が無事だっただけ良しとしろ。・・・それに、対策は考えてある」


マイク:「え? どんな対策!?」


ベン:「それは、拠点に戻ってからだ」


マイク:「分かった。あ・・・、でも、僕達・・・、どうやって帰れば・・・?」


ベン:「安心しろ。迎えを手配してる」


ミッシェル:「相変わらず、用意が良いわね~」


ベン:「さぁ、戻るぞ!」

 


(ケイトの隠れ家)

 

ローガン:「・・・ん? ・・・此処は、何処だ・・・」


ケイト:「目が覚めたようね、ローガン」


ローガン:「ケイト・・・、俺に何をしたんだ・・・」


ケイト:「相変わらず鈍いのね~。もしかして、本当にキスされるとでも思った~?」


ローガン:「くっ・・・、俺をロープで拘束して・・・、拷問でもするつもりか・・・?」


ケイト:「拷問? そうね~、その役目は、さっきから貴方の事が気になって仕方な~い彼に任せるわ~」


ローガン:「彼だと?」


ヴィンセント:「ほぅ~、この男が有名な変装のスペシャリストかよ」


ローガン:「・・・」


ヴィンセント:「はっ! 幾ら変装が上手くても、女の扱いが、初心(うぶ)で、だせえな! 
        ケイトから、キスされそうになって、慌てるなんて・・・なっ!!!」


ローガン:「ぐふぉっ・・・!!」


ヴィンセント:「悪い、悪い・・・。お前みたいなガキを見てると、無性に腹が立って手加減も出来ないんだ。
        俺のパンチは、そんなに効いたかよ?」  


ローガン:「はぁ・・・、はぁ・・・、うっ・・・」


ケイト:「あら、ローガン、苦しそうね~。どう? 彼のパンチは・・・?
     貴方・・・、カルロスの蹴りを食らった時も・・・、苦しんでたわよね~!」 


ローガン:「ケイトっ・・・!」


ケイト:「ふふ・・・、睨む気力は残ってるのね~。・・・まだまだ元気じゃない・・・」


ヴィンセント:「じゃあ、次はこれなら、どう・・・だあああ・・・!!」


ローガン:「ぐふぉおおおお・・・」


ヴィンセント:「どうだ? ボディーブローの味は?」


ローガン:「うっ・・・、・・・おえええええっ・・・」


ヴィンセント:「汚ねぇな~。吐くなら、吐くって前もって言えよ!!」


ローガン:「はぁ・・・、はぁ・・・、ケイト・・・」


ケイト:「あらあら、何かしら? ローガン」


ローガン:「・・・カルロスとの仲を・・・、引き裂かれた復讐なのか・・・」


ケイト:「はぁ? ・・・カルロスとの仲? ローガン、貴方って何も分かってないのね~。
     カルロスは、ただの手駒に過ぎなかったわ。都合が良いから利用しただけ。
     ・・・彼、武闘派を気取ってたけど~、本物には敵わなかったわよ~。・・・ね、そうよね?」


ヴィンセント:「ふっ、武闘派ね~・・・。
        奴から恨みを買ったら、ハドソン川の底に沈むなんて話も聞いたんだがな~。
        期待外れだったよ。俺が本気のパンチを、2、3発、食らわしたら・・・、
        泣きながら、命乞いしてきたぜ!!!
        ・・・何がハドソン川に沈むだよ。
        沈ませるのが、好きみたいだったからな~、望み通り、海の底に沈めてやったよ!!!」  

 

ローガン:「あのカルロスが、そんな簡単に・・・」

 

ケイト:「世の中、上には上が居るって事よ~。
     自分が最強で何でも手に入る・・・。
     思い通りのままなんて思ってるから・・・、もっと強い獣に狙われて殺されるのよ~。
     この世は、弱肉強食・・・。それをカルロスは、自分を強者だと勘違いしてた・・・。それだけね~」


ヴィンセント:「弱いくせに、金や地位を振りかざして吠えやがる。
        世の中・・・、汚い事して儲けたもん勝ちだと、開き直ってる金持ちばかりで反吐が出るぜ・・・。
        貧乏人が、金持ちの金儲けに利用される・・・。
        俺は、そんな狂った世の中が、気に要らねえから、必死で這い上がって、この力を手にしたんだ・・・!!
        ケイトも、俺と似たような境遇だからよ~。意気投合したってわけさ!」

 

ケイト:「ええ、そうね~。これで分かったでしょう? ローガン・・・。
     金持ちなんて・・・、信用に値しないのよ・・・。だから上手く利用して、追い詰めて、破綻させるの」

 

ローガン:「・・・」

 

ケイト:「その為には、利用できる物は、全て利用するわ~。
     ・・・ベンを誘い出す為に、良い餌になって頂戴。ローガン・・・。
     ・・・私は、次の準備に入るから、彼ともう少し、遊んであげて~。
     それと・・・、そっちも、次の作戦、宜しくね、ヴィンセント」

 

ヴィンセント:「あぁ、任せろ」

 

ローガン:「っ・・・、ケイト・・・、待て・・・!!!」

 

ヴィンセント:「おっと、お前は~、俺と留守番だよ」  (ローガンの髪を引っ張る)

 

ローガン:「っ・・・」

 

ヴィンセント:「安心しな。気絶なんて簡単にさせねぇよ・・・。夜はまだこれからだからな~。
        たっぷり時間かけて、俺と楽しもうぜ~・・・」

 

ローガン:「くっ・・・」

 

 

(活動拠点に戻って来たベン達一行)

 

マイク:「・・・はぁ~・・・、僕のバン・・・」


ミッシェル:「マイク・・・」


ベン:「このチームを結成してから、少しずつ改良して作り上げた大事なバンは分かる・・・。
    でも・・・、お前の命とは、引き換えには出来ない・・・。
    それに・・・」


マイク:「ん? それに、何だい?」


ベン:「壊されるのは、想定外だったが・・・、ちゃんと対策も考えてある」


マイク:「へ?」


ベン:「ほらっ、受け取れ!」


マイク:「うわあああ、いきなり投げないでよ・・・!!
     ・・・え? これって・・・」


ベン:「気に入るか分からないが、俺からのプレゼントだ。地下2階の車両スペースに行ってみろ」

 

マイク:「ベン・・・。・・・うん! 僕、行ってくるね!!」


ミッシェル:「へ~、見直したわよ・・・。マイクの事も考えてあげてたのね」


ベン:「マイクには・・・、苦労をかけてばかりだから、これくらいはしたかったんだ・・・」


ミッシェル:「ねぇ・・・、ベン・・・」


ベン:「何だ?」


ミッシェル:「私ね・・・、このチームが好き・・・。ずっと皆で、世の中の悪から、弱者を助けたいと思ってるの・・・」


ベン:「俺も、そうしたいと思ってる・・・」


ミッシェル:「ベン・・・。・・・私達・・・、色々とトラブル続きだったわね。・・・でも、これから何もかも上手く・・・」


マイク:「あ~、あ~、こちらマイク!! ベン、聞こえる!?」


ベン:「あぁ、ちゃんと聞こえてる」


マイク:「凄いよ、この車両!! ねぇ、これは、僕が自由にカスタマイズしても良いんだよね?」


ベン:「勿論、そのつもりで、お前に託したんだ」


マイク:「ベン!! 大好き!! ・・・こうしちゃ居られない。僕、ちょっと街に買い物に行ってくるね~。通信、終わり~」


ベン:「気を付けるんだぞ。・・・ふぅ~」


ミッシェル:「マイクったら、気に入ったみたいね~」


ベン:「あぁ、そうだな。・・・ん?」


ミッシェル:「どうしたの?」


ベン:「ローガンから連絡だ・・・」


ミッシェル:「ねぇ、早く出て・・・」


ベン:「あぁ・・・。もしもし・・・」


ヴィンセント:「てめぇが、ベンか・・・」


ベン:「ん? お前は誰だ・・・? これはローガンの携帯のはずだが・・・」


ヴィンセント:「いかにも金持ちの坊ちゃんて態度と声だな・・・。顔を見る前から分かるぜ。
        俺が大嫌いなタイプの人種だよ」
        

ベン:「お前が気に入ろうが無かろうがどうでも良い。ローガンはどうした?」


ヴィンセント:「はっ? これだから金持ちは・・・。そんなに気になるなら、今、ビデオ通話に切り替えてやる。
        ・・・どうだ? これで、仲間の顏が、鮮明に見えるだろう?」


ベン:「くっ・・・、ローガン・・・」


ミッシェル:「どうしたの、ベン? ・・・嘘・・・!? ねぇ、ローガン・・・!!!  しっかりして・・・!!」


ローガン:「・・・ミッシェル・・・、心配かけて・・・、すまない・・・」


ミッシェル:「こんなになるまで、全身を殴るなんて酷い・・・」


ヴィンセント:「お? さっきまで虫の息だったのに、まだ、声を出す気力が残ってたとは・・・なっ!!!」   (顔を殴る)


ローガン:「ぐはっ・・・!!!」


ミッシェル:「お願い!! もう止めて!!! これ以上、ローガンに酷い事しないで!!!!」


ベン:「・・・お前の目的は何だ? 金なのか・・・?」


ヴィンセント:「あぁ、あぁ~!! 

                           そうやってすぐ金で、何でも解決出来ると思ってるのも~、お前達、金持ちの特有の行動だよな~!!!
         ・・・そんな考えだから、弱者を金儲けに利用しても、良心が痛まねぇんだろう!!!」


ミッシェル:「勘違いしないで!! ベンは、弱者の為に、私達と行動してるのよ!! ね? そうよね? ベン」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「ベン・・・?」


ヴィンセント:「はっはははははは!!! これは愉快なシーンが見れた!! 
        どうやら、その金持ちの坊ちゃんは、お前に、伝えてない事があるみたいだぜ!!」


ミッシェル:「ねぇ、ベン・・・。嘘よね・・・?」


ベン:「・・・」


ヴィンセント:「所詮、チームを組んでも、その程度の友情じゃねぇか。
        ・・・ケイトの言ってた通り、何も知らないお気楽サークルみたいだな!!
        良いか、よく聞け・・・。この男の命が大事なら・・・、

                            1週間後の午前7時・・・、ビクスビーブリッジまで来い!」


ベン:「ビクスビーブリッジ・・・」


ヴィンセント:「良いか? 1週間、猶予をやるんだ。じっくり考えて、どうするか決めるんだな~!!
        時間になっても来なければ~、橋から、この男を突き落としてやる!! はっはははは!!!」


ローガン:「ベン・・・、ミッシェル・・・。絶対に来るな・・・」

 

ヴィンセント:「俺とした事が、名乗り忘れてたぜ。
        俺の名は、ヴィンセント・・・。お前達を、絶望に突き落とす男だ! よ~く覚えとけ! じゃあな!!」

 

ミッシェル:「ローガン・・・!!! ・・・電話が切られたわ・・・。
       ・・・ねぇ、ベン・・・。・・・ビクスビーブリッジって・・・?」

 

ベン:「・・・カリフォルニア州モントレー郡、ビッグ・サー沿岸にかかる橋だ・・・。
    高さは・・・、約85m・・・。
    突き落とされたら・・・、命は無いだろう・・・」


ミッシェル:「そんな・・・。・・・ローガンを助けに行くのよね?」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「ベン!! 黙ってないで答えて!!!」


ベン:「すまない・・・。少し外に出てくる・・・」


ミッシェル:「ベン!!!
       ・・・どうして、こんな事になったの・・・。見殺しになんて、絶対にさせないんだから・・・。ローガン・・・」

 


(橋の見える丘)

 

ケイト:「・・・ヴィンセントったら、私が渡したプレゼントで、派手に暴れたようね~」


マイク:「へぇ~・・・、そのヴィンセントってのが、僕の大事なバンを壊した張本人か~・・・。
     全く・・・、予想外のサプライズで、危うく死ぬ所だったよ~・・・」


ケイト:「ごめんなさ~い。彼・・・、時々、暴走しがちなの~」


マイク:「駄目じゃないか~。猛獣は、ちゃんと調教して躾ておかないと。
     じゃないと、そんな暴れるだけの役に立たない猛獣~・・・、僕が、この手で始末しなくちゃ、いけなくなるからさ~!!」


ケイト:「あら? 暴れるだけの猛獣も~、時には役立つのよ~。・・・今、作戦が無事に伝わった連絡が来たわ」


マイク:「へぇ~・・・、そりゃあ良かった~。ははっ・・・、僕からのメッセージ、ちゃんとベンに伝わったかな~」


ケイト:「さぁ、どうでしょうね~。・・・これで、私達の長かった復讐も・・・、ようやくゴールが見えて来たわね」


マイク:「あぁ、そうだね~。・・・ベンとの仲良しごっこも楽しかったな~。
     でも、これ以上、続けてたら、いつまで経っても、復讐も果たせ無いからね~。
     そろそろ、終わりにしなくちゃね・・・。

                  はははっ・・・、僕の目の前で、ベンが絶望する顔を見るのが楽しみだよ~!!!」


ケイト:「その絶望した表情の中、彼の額に、弾丸を撃ち込んで止めを刺すのは、私の役目なんだから・・・」


マイク:「駄目だよ、ケイト・・・。そこは、仲良く、二人で、同時に撃つんだ・・・!」


ケイト:「はぁ、分かったわ・・・。それで良いわよ」 


マイク:「じゃあ、僕はベン達の元に向かうから、一足先に、カリフォルニアに行って、準備を宜しくね。
     あっちでのアジトは、君の端末に送っておいたよ」


ケイト:「これね~、・・・画像付きで送るなんて、流石ね~。
     へぇ~・・・、良いアジトじゃない」


マイク:「良かった、気に入ったみたいだね~」


ケイト:「所で、その新しい車は、どうしたのよ?」


マイク:「あぁ、これ? ベンからのプレゼントだよ~!! 彼さ~、僕の事を思って用意してくれたんだよ~!!
     優しいよね~!!」


ケイト:「1週間後に、殺す相手に貰った物を、そんなに喜ぶなんて、貴方・・・、やっぱり狂ってるわね~」


マイク:「そんな事は無いよ。・・・彼が、僕にした仕打ちからしたら、これは、そうだな~、
     退職金って所かな~・・・」


ケイト:「はぁ~、退職金ね~・・・。私の分け前も、考えておいてよね~、マイク・・・」


マイク:「心配しないで。ちゃんと用意してあるからさ~。楽しみにしておいてよね~・・・」

 

 

ミッシェル:「はぁ~・・・」


マイク:「ただいま~!! あれ? ベンは?」


ミッシェル:「マイク、お帰り。・・・ベンなら外に出て行ったきり・・・、まだ戻って来てないわよ・・・。はぁ~・・・」


マイク:「へぇ~、ベンも出かけたんだ~。・・・ん? 溜息付いてどうしたの?」


ミッシェル:「どうしたのじゃないわよ~。・・・ローガンから連絡があったんだけど、
       ヴィンセントと名乗る男が出て・・・、ローガンを拷問してたの・・・」


マイク:「ローガンが拷問!? 場所は何処!? 助けに行かないと・・・!」


ミッシェル:「ローガンが連れ去られた時間から考えても、ニューヨーク内だと思うけど・・・、見当が付かない・・・・。
       それに・・・」


マイク:「それに?」


ミッシェル:「そのヴィンセントが、言ってたの・・・。1週間後の午前7時・・・、ビクスビーブリッジまで来いって・・・」


マイク:「ビクスビーブリッジ・・・」


ベン:「お前と、チームを結成して間もなく・・・、一緒に仕事した場所だ・・・」


ミッシェル:「ベン・・・。お帰りなさい・・・」


ベン:「あぁ・・・」


ミッシェル:「・・・」


マイク:「ビクスビーブリッジ・・・。どうして、そんな場所を指定して来たんだろう・・・」


ベン:「さぁな・・・。少なくとも、あのヴィンセントって男は、俺達の事を知ってる人物だ・・・」


マイク:「ヴィンセント・・・。う~ん、聞き覚え無いな~・・・」


ベン:「偽名を使ってる可能性もある」


ミッシェル:「ねぇ・・・、ベン・・・。ローガンを、このまま見捨てたりは・・・」


ベン:「する訳が無いだろう・・・。1週間後、ローガンを取り戻しに行く!」


ミッシェル:「良かった・・・。そうよ、絶対に死なせたりさせないわ!」


マイク:「よ~し、僕は、早速、買い込んできたこのパーツで、新しい車両をカスタマイズしてくるよ~」


ベン:「頼んだぞ・・・、マイク・・・」

 

 

(6日後の昼 カリフォルニア州モントレー郡、ビッグ・サー沿岸  マイクとケイトのアジト)

 

ヴィンセント:「ふぁあああああ~・・・。退屈で欠伸が出るぜ・・・」


ローガン:「・・・」


ヴィンセント:「おい、本当に、あいつらは、この男を助けに来るのかよ?」


ケイト:「ええ、必ず来るわよ」


ローガン:「・・・」


ケイト:「あら? この6日間、随分と大人しかったじゃな~い。
     そんなに、ヴィンセントの拷問は、辛かったのかしら~?」


ローガン:「へっ・・・、こんなのは・・・、大した事じゃないさ・・・」


ヴィンセント:「なんだと!? まだ痛め付けられてぇみたいだな~!! 今度は、内臓が破裂するまで、殴り続けてやるよ!!」


ローガン:「望むところだ・・・」


ケイト:「ちょっと!? 勝手な真似は許さないわよ!! 
     ローガンは、大事な人質よ・・・。・・・分かったなら、大人しくして、ヴィンセント」


ヴィンセント:「チッ・・・。・・・だとよ。・・・せいぜい、残り僅かな時間を神にでも祈って過ごすんだな!!」


ローガン:「・・・」


ヴィンセント:「はぁ~あ、白けちまった・・・。俺は時間まで、部屋で少し寝る。時間になったら起こしてくれ~」


ケイト:「分かったわよ~。・・・はぁ~・・・」


ローガン:「・・・ケイト。・・・お前の目的は・・・」


ケイト:「ええ、ベン達一族を・・・、どん底に叩き落とすのが目的よ。彼に関わる財や地位、全て奪ってあげるの・・・」


ローガン:「やはりベンが目的か・・・。だったら、お願いがある・・・」


ケイト:「何かしら・・・?」


ローガン:「俺はどうなっても良い。
      ・・・だが、ミッシェルとマイクだけは・・・、殺さないでくれないか・・・?」


ケイト:「あら、妬いちゃうくらい、愛されてるのね~・・・。・・・ふふっ、貴方に免じて、考えておいてあげる」  


ローガン:「ありがとう・・・。・・・うっ・・・」(麻酔を打たれる)


ケイト:「無駄なお喋りは此処までよ。・・・おやすみなさい、ローガン・・・」

 

 

(ベンの自家用ジェットで、カリフォルニア州モントレー郡、ビッグ・サー沿岸に辿り着くベン一行)

 

マイク:「うわあああ・・・、久しぶりに来たな~」


ベン:「そうだな・・・」


ミッシェル:「流石ね~・・・、此処まで、自家用ジェットを飛ばして来るなんて・・・」


ベン:「見ろ・・・、あれが、指定されたビクスビーブリッジだ」


マイク:「そうそう、あの橋だ・・・。懐かしいな~」


ミッシェル:「いよいよ明日なのね・・・」


ベン:「緊張してるのか? ミッシェル」


ミッシェル:「ローガンの命がかかってるのよ・・・。当然じゃない・・・」


ベン:「心配するな。・・・必ず助ける・・・」


ミッシェル:「えぇ・・・」


マイク:「何々? ミッシェル、緊張してるの? じゃあ、僕が緊張を解(ほぐ)してあげる。
     ねぇ、覚えてる? ローガンの変装で、僕とローガンが喧嘩した事・・・?」


ミッシェル:「そんな事もあったわね・・・。確か・・・」

 


(過去 ベン達の活動拠点)

 

ケイト:「ローガンさん・・・。マイクさん・・・。喧嘩は・・・、駄目ですよ・・・」


ローガン:「だから、何度も言ってるだろう!! 女には変装が出来ないんだ!!」


マイク:「え~、それじゃあ、ミッシェルが怪我で動けない時、

                ターゲットに、ハニートラップを仕掛ける人が居なくて困るよ~!!」


ローガン:「ケイトが居るだろう!!」


マイク:「ローガンの鈍感!! 慣れて来たばかりのケイトに、ハニートラップは出来ないよ!!」


ケイト:「マイクさん・・・。私・・・、作戦の為でしたら・・・、頑張ります・・・!!」   


ローガン:「ほらっ、ケイトも、こう言ってる!!」


マイク:「ローガン、酷いよ~。こんなに震えてるケイトに、ハニートラップは、無理に決まってるだろう・・・」


ケイト:「マイクさん・・・」


ローガン:「うっ・・・。はぁ~・・・仕方ない・・・。試すだけだからな・・・」


マイク:「流石、ローガン! じゃあ~・・・、はい、これ! 衣装とウィッグ!」


ケイト:「ローガンさん・・・」


ローガン:「何だ?」


ケイト:「頑張って・・・、ください・・・」


ローガン:「はぁ~・・・。待ってろ・・・」



ミッシェル:「ねぇ、マイク・・・。ベンを見かけなかった?」


マイク:「ちょうど良かった。これから面白い物が見れるかも知れないよ~」


ミッシェル:「面白い物?」


ケイト:「マイクさん・・・」


ローガン:「待たせたな!! お前ら、どうだ? これで、満足か!!」


ミッシェル:「え? ローガン! その恰好はどうしたの!?」


マイク:「あっははははははは!!!! 何、そのメイク!!! それじゃあ、まるで、ドラッグクイーンだよ~!!」


ローガン:「こいつっ・・・、!!!」(マイクの頭に拳骨を落とす)


マイク:「痛っ!! ・・・いきなり拳(こぶし)を落とさないでよ~!! 頭が割れるかと思った~!!」


ローガン:「お前が悪い・・・!! だから俺は、嫌だと言ったんだ・・・」


ケイト:「あの~・・・、ローガンさん・・・」


ローガン:「あぁん?」


ケイト:「ひっ・・・!! ・・・私は・・・、その恰好も・・・、似合ってると・・・、思いますよ・・・」


ローガン:「お世辞をありがとうよ!!」


マイク:「あっはははははは!!!」


ローガン:「お前は、好い加減、懲りろ!!」


マイク:「痛っ!!」

 

(過去、終了)



ベン:「お前達・・・、ローガンを弄るのも、程々にしろよ・・・。
    それにしても、ローガンの変装に、そんな弱点があるのは知らなかった・・・」


ミッシェル:「私も、見た時は、驚いたわよ~・・・」


マイク:「はははっ、あの時は、傑作だったよね~」


ミッシェル:「貴方は、少しは反省しなさい。でも、ありがとう・・・マイク。
       おかげで緊張は解けたわ。・・・明日は、必ず成功させてみせる・・・」


ベン:「さぁ、そろそろ空港に到着する。・・・空港からは、予め空輸しておいたマイクの新しいバンで移動する。
    用意した別荘に着いたら、少し休んでくれ」


マイク:「了解」


ミッシェル:「えぇ」

 

長い間


(7日目、午前5時)


ケイト:「・・・ヴィンセント、起きて」


ヴィンセント:「ん? 時間か・・・?」


ケイト:「ええ、そうよ」


ヴィンセント:「何だよ、約束の時間まで、まだ2時間もあるじゃねぇか・・・」


ケイト:「文句を言ってないで早く起きて・・・。きゃっ!」  (ベッドに引きずり込む)


ヴィンセント:「安心しろ、たっぷり時間はある・・・。昨日は寝ちまって何も楽しめなかったんだ~。
        少しは、楽しませろよ~」


ケイト:「仕方ないわね~・・・。・・・その代わり、たっぷりと、働いてよね~」


ヴィンセント:「あぁ~・・・、任せておけ・・・」

 


(同時刻 ベン達の別荘)

 

ベン:「ミッシェル・・・、随分と早起きだな・・・?」


ミッシェル:「ベン・・・。・・・実はね、余り眠れなかったの・・・」


ベン:「そんなにローガンの事が、心配なのか・・・?」


ミッシェル:「当たり前じゃない。・・・貴方の事も大事よ・・・。でも、ローガンの事も、同じくらい私は大事なの・・・」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「だから・・・、あの時の返事は、もう少し待って頂戴・・・。
       ごめんなさい・・・。今は、まだ考えられない・・・」


ベン:「そうか・・・、分かった・・・」


ミッシェル:「今は、このチームの事が心配なの・・・。
       メンバーの負担も考えたら、新しいメンバーを探さないと行けないでしょう?
       とても貴方との結婚を考える余裕が無いの・・・。ごめんなさい・・・」

 

ベン:「謝らなくて良い。俺も少々、焦り過ぎた・・・。これからも、良いチームのメンバーとして、宜しく頼む」


ミッシェル:「ええ、勿論よ」


マイク:「二人共~、話し合いは終わった~?」


ミッシェル:「マイク・・・!? ・・・いつから居たの?」


マイク:「う~ん、ちょっと前だから安心してよ。・・・ベン、出発の準備は、出来たよ」


ベン:「分かった・・・。じゃあ、出発だ・・・」

 


 

(午前7時 カリフォルニア州モントレー郡、ビッグ・サー沿い ビクスビーブリッジ)

 

ローガン:「ん・・・。・・・此処は・・・」


ヴィンセント:「おう、ようやく、お目覚めかよ。どうだ、この景色・・・!」


ローガン:「・・・」


ヴィンセント:「はっははは、怖くて声も出ないか! お前を此処から、突き落とすのが楽しみだぜ・・・!」


ケイト:「あら、その願いは、一旦、保留かしら~。・・・来たわよ」


ヴィンセント:「チッ・・・」



マイク:「ベン・・・、ビクスビーブリッジに、着いたよ・・・」


ベン:「あぁ、此処までの運転をありがとう、マイク・・・」


ミッシェル:「ねぇ、ベン・・・。作戦はどうするの?」


ベン:「作戦か・・・? そんなのは、特に無い! 先ずはローガンの安全を確保する」


マイク:「了解」


ミッシェル:「分かったわ」


マイク:「・・・よ~し、それじゃあ早速、僕のカスタマイズしたこのバンの出番だね~。
     先ずは、3Dプリンターで、制作したドローンちゃん、宜しく頼むよ~・・・!!」


ベン:「・・・」

 


ヴィンセント:「あん? 奴ら、バンから降りて来ないぞ?」


ケイト:「今更、悪あがきかしら~。良いわ、少し待ちましょう~」


ヴィンセント:「はぁ~・・・」

 


マイク:「ドローンからの映像、来た来た~・・・。
     間違いない。・・・ローガンとケイトと・・・、後一人、男の姿を確認したよ」


ベン:「ローガンは無事か?」


マイク:「うん・・・、無事を確認したよ」


ヴィンセント:「あ? 何だ、あのドローン・・・、さっきから目障りだ・・・な・・・!」 (銃で撃ち落とす)


マイク:「あああああああ!! 僕のドローンが~・・・!!! ・・・自信作だったのに~・・・!!」

 


ヴィンセント:「あ~、もう・・・、待てねぇ~!! ・・・おいっ!! いつまでバンに居るつもりだ!!」


ケイト:「ヴィンセント! もう少し待って・・・!」


ヴィンセント:「うるせぇ!!! もう我慢の限界なんだよ!! 
        そのまま、バンから出ないつもりなら、今すぐ、この男を橋から突き落とすぜ!!」

 

マイク:「ベン、不味いよ~・・・。このままだと、ローガンが・・・」


ベン:「マイク・・・、俺の声を、外に聞こえるように出来るか?」


マイク:「うん、出来るよ・・・。準備するから、少し待って」


ヴィンセント:「あん? 聞こえてないのか? ・・・俺を無視するとは良い度胸だ・・・。おいっ!」  


ローガン:「うっ・・・」


ヴィンセント:「はっははは!! ・・・残念だったな~! 

                           ・・・お前のリーダーは、どうやら、お前を見殺しにするようだ!
         さぁ~、紐無しバンジーの時間と行こうか!!」

 

ローガン:「くっ・・・!」


マイク:「ベン!! 準備が出来たよ!!」


ベン:「・・・待ってくれ!! ・・・今、そっちに行く・・・!!」


ヴィンセント:「ようやく反応が来たな。・・・ケイト、どうする?」


ケイト:「ベンに、一人で、こちらに来るように伝えて」


ヴィンセント:「・・・よし! 良いだろう! 待ってやる!
        但し、お前、一人で来い!! じゃないと、こいつを此処から突き落とす!!」


ベン:「分かった!!」


ミッシェル:「ベン・・・」


ベン:「大丈夫だ・・・。行ってくる・・・」


マイク:「・・・」



(バンを降りて、ヴィンセントとケイトの元に歩いていくベン)

 

ベン:「・・・」


ローガン:「ベン・・・」


ベン:「ローガン・・・」


ヴィンセント:「よう・・・、会えて嬉しいよ」


ベン:「よくも、俺の大事な仲間に・・・、酷い真似をしてくれたな・・・」


ヴィンセント:「まぁ、そんなに怒るなよ。お前に会いたかったのは、俺だけじゃない」


ケイト:「久しぶりね~、ベン」 


ベン:「ケイト・・・」


ケイト:「まさか、ミサイル爆破でも生きてるなんて~、悪運が強いのね~」


ベン:「ありとあらゆる可能性を考えて、準備をしたからな」


ケイト:「流石ね~・・・。でも、そんな悪運も今日までよ。そう思わない? ミッシェル」


ベン:「ミッシェルだと・・・!?」


ミッシェル:「ごめんなさい・・・ベン。・・・どうしても我慢できなかったの・・・」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「ケイト・・・。今度は一体、何を企んでるの・・・?」


ケイト:「ふふふ・・・、貴女もこの場に来てくれて、手間が省けたわ~。
     ・・・貴女も知りたいでしょう? ベンが隠してる事・・・」


ミッシェル:「・・・」


ベン:「・・・」


ケイト:「気になって仕方ないみたいね~。じゃあ、教えてあげる。
     ミッシェル・・・、私は望まれて、産まれたわけではなかったのよ・・・。
     私の母はね、大富豪の愛人として過ごし、その大富豪と母の間に出来たのが、私なの~」

 

ミッシェル:「大富豪の愛人・・・」


ベン:「・・・」


ケイト:「ええ、そうよ。
     その大富豪はね~、世間からは、良き愛妻家と思われていたわ~。
     でも、裏では母と会っては、情事を楽しんでいた・・・。
     母は、その大富豪に夢中で、私には、愛情を向けてくれた事さえ無かった・・・。
     お金だけ私に渡すと・・・、直ぐに、そいつの元に行ってを繰り返していたわ~」


ミッシェル:「・・・まさか、その大富豪って・・・」


ケイト:「ええ、貴女の考えた通りよ・・・、私の復讐相手はね~、・・・ベンの父親!!
     あいつは、私の母の愛人だった・・・。そして、私の父親なの・・・!!!
     だから、私とベンは~、腹違いの兄妹・・・。そうよね・・・?」


ミッシェル:「本当なの・・・? ベン・・・?」


ベン:「あぁ・・・、本当だ・・・」


ケイト:「随分と、あっさり認めるのね~。言い訳の一つでもするのかと思ってたわ」     


ベン:「お前が、B&Mの屋上から飛び去った後・・・、俺なりに調べた・・・」


ケイト:「あらそう・・・」


ミッシェル:「・・・」


ケイト:「私は、父親の愛情も、母親の愛情も知らないわ・・・。
     当然よね~。母は、あいつに夢中で、私の事なんて見て無かった・・・!!
     でも・・・、愛人の結末なんて、最後はどれも同じ・・・。
     母に飽きたのか・・・、あいつは簡単に母を捨てた・・・。
     捨てられて・・・、お金も底が付いた私達は・・・、ニューヨークを離れて、田舎町で生活を強いられたわ~・・・。
     貧しい生活が続いた・・・。母も慣れない仕事に疲弊して過労で倒れたわ・・・。
     そして死ぬ前に・・・、私に、こう言い残した・・・。
     ・・・金持ちを信じなければ良かった・・・って・・・」


ベン:「・・・」


ケイト:「ベン・・・、貴方に、母の無念の気持ちが分かる!? 
     私は、その後・・・、親戚に引き取られて、我慢する日々が続いたわ・・・。
     そんなある日よ・・・。町で流れたテレビのニュースだった・・・。
     そこには・・・、貴方とあいつと、奥さんが仲良く、パーティーを楽しんでる姿が映ってたわ~・・・。
     その光景を見て・・・、私は決意したの・・・・。
     あいつと・・・、貴方と・・・、その家族にも・・・、私と同じ気持ちを味わせるって・・・!!
     どう? ミッシェル・・・? これが・・・、私がベンの一族を恨んでる理由よ・・・!!」

 

ミッシェル:「ベンの家族に、そんな秘密があるなんて、知らなかった・・・」


ベン:「黙っていて、すまない・・・。何度も話そうと思ったんだ・・・。
    だが・・・、今のチームが崩壊するかもしれないと考えたら・・・、打ち明けられなかった・・・」


ミッシェル:「ベン・・・」


ケイト:「ベン・・・、貴方の一族の罪を認めるのね?」


ベン:「あぁ・・・、認める・・・。済まなかった・・・」


ケイト:「・・・ですってよ。・・・ヴィンセント」


ヴィンセント:「はっはははは! ばっちり配信でも、皆に伝わったぜ!!」


ミッシェル:「配信ですって!?」


ヴィンセント:「悪いな!! 全世界にリアルタイム配信してる!! 
        どうだ!! これが、世界に名の知れた大富豪の隠し続けた秘密だ!!
        お前達も、分かっただろう!!! 大富豪は信用に値しないって!!!!」


ケイト:「ミッシェル・・・、これでも貴方は・・・、ベンと仲良くチームを続けれるのかしら~?」


ミッシェル:「・・・ベンの父親が貴女や貴女の母にした仕打ちは許される事じゃないわ・・・。
       でも私は・・・、ベンのこれまでの行動も、間近で見てる!!
       だから、私は・・・、ベンをこれまで通り信じるわ!!」


ケイト:「へぇ~・・・、意思が強いのね~・・・。でも、世間の反応は、どうかしら~?」

 

ミッシェル:「・・・」



ベン:「・・・。・・・もしもし・・・。・・・。
    そうか・・・。引き続き、対応を頼む・・・。あぁ・・・、皆には、苦労を掛けてすまないと伝えてくれ・・・」

 

ミッシェル:「ベン・・・?」

 

ヴィンセント:「はっははははは!!! これを見て見ろ!!! B&Mカンパニーの株価が大暴落だ~!!!!
        これで、お前も~、御終いだな~!!!!」

 

ベン:「ケイト・・・。これで満足だろう・・・。今すぐローガンを開放しろ・・・」


ケイト:「ええ、そうね。・・・ヴィンセント!」


ヴィンセント:「ははっ、お前は、もう・・・、用無しだとよ!!」 


ローガン:「ぐふっ・・・」


ミッシェル:「ローガン・・・!!」


ベン:「・・・ミッシェル・・・、ローガンを連れて、バンに戻ってくれ・・・」


ミッシェル:「分かったわ・・・。行きましょう、ローガン・・・」

 


ケイト:「あら? ベン・・・? まだ私に、何か用かしら?」


ベン:「あぁ・・・。正確には・・・、お前の、もう一人のパートナーにだがな・・・」


ヴィンセント:「あぁ? 俺に復讐でもしようってのか? 

                           良いぜ、幾らでも相手になって・・・! ぐはっ・・・!!」  (足を撃たれる)

 

(マグナムで撃たれるヴィンセント)

 

マイク:「はぁ~・・・、これだから暴れるだけの獣は、始末が悪い・・・。
     結局・・・、俺が自らの手で、殺さないといけなくなるじゃないか~!!」

 

ヴィンセント:「くっ・・・、はぁ、はぁ・・・、貴様・・・、誰だ・・・?」

 

マイク:「考える脳すら、無いんだね~・・・。こう言ったら、君にも伝わるかな~。
     ・・・俺のバンを・・・、爆破してくれて、ありがとう・・・」


ヴィンセント:「まさか、お前・・・!?」


マイク:「これは、感謝の気持ちだよ~。ちゃんと受け取ってよ・・・ねっ!!!」 (胸に2発、撃つ)  

 

ヴィンセント:「・・・ぐはっ!! ぐふっ!! ははは・・・、こんな所で・・・、退場かよ・・・。
        ケイト・・・、・・・愛してる・・・ぜ・・・」

 

マイク:「あっはははは!!! 死ぬ前の最後が、ケイト・・・、愛してるぜ・・・。
     ただ利用されてるだけとも知らずに、哀れだね~!!
     さ~て、邪魔者も消えた所で、本題に移ろうか~。
     ベン・・・、俺が裏切ってるって、いつ気付いたの~?」

 

ベン:「・・・ヴィンセントが、ビクスビーブリッジを指定して来た時だ・・・」

 

マイク:「あっちゃ~、流石に、分かりやすかったか~!
     もっと、謎解きみたいに、複雑に伝えれば良かったよ~・・・。
     でも、ベンにも・・・、この場所が、強く想い出に残ってたんだね・・・。嬉しいよ・・・。
     ・・・あの日、此処で・・・、君と初仕事を終えた後、記念写真を撮ったよね~」

 

ベン:「あぁ・・・」


マイク:「俺は・・・、あの日・・・、此処から、君を突き落としたい衝動に駆られていた・・・。
     何故だか、分かるかい?」


ベン:「まさか・・・、お前も、俺に恨みがあるのか・・・?」


マイク:「あっはははは・・・。・・・やはり覚えてないんだね・・・。
     ・・・俺は今でも、鮮明に覚えているよ・・・。
     あれは・・・、まだ小さい頃だった・・・。
     君のパーティーに、俺の家族も呼ばれた時だった・・・。
     俺の親は、君の父親の新事業のコンペに応募して、最終選考にまで残ったんだ・・・。
     君の父親も、俺の父親のプランを気に入っていて、このまま契約も無事に終了すると思った・・・。
     でも・・・、君の、たった一言で・・・、実現されなかった!!!」

 

ベン:「俺の一言・・・?」

 

マイク:「あぁ、そうさ・・・!!
     君は・・、同じように、コンペに残ったプランの、マスコットキャラを見て・・・、こう言った・・・」

 

ベン(幼少期):「ねぇ、パパ~!! そっちのプランは、マスコットが可愛くな~い。僕、嫌~い!!
         僕~!! こっちのプランのマスコットが良いな~!!」

 


マイク:「・・・その言葉を聞いた瞬間、・・・俺も、家族も何が起きたのか分からなかったよ。
     でも、次の瞬間・・・、パーティー会場は、俺の父親に対する嘲笑(ちょうしょう)で一杯になった・・・!!!
     君の・・・、たった一言で・・・、俺の家族は、笑いものにされたんだ!!!
     それだけじゃないよ!! その後、自信を無くした父さんは・・・、家で自殺した・・・!!!
     母さんも・・・、父さんが首を吊ってる姿を見て・・・、気が狂ってしまい・・・、今も、施設から出れない・・・。
     ・・・どう? 君の一言で・・・、俺の人生は・・・、めちゃくちゃにされたんだよ・・・!!」

 

ベン:「そんな・・・。・・・すまない・・・。小さい頃の記憶で・・・、覚えてない・・・」

 

マイク:「それだけ君には、些細な事でしか無かったんだよ!!
     ・・・俺は・・・、君に復讐する為に、必死に生きる術(すべ)を学んだよ。
     その努力もあって、凄腕のハッカーとして名も知れて・・・、君に近付く事が出来た・・・。
     後は、君も知ってる通りさ~・・・」


ベン:「そんな前から、お前は・・・、俺を恨んでいたんだな・・・。
    じゃあ・・・、俺とチームを組んでた時も、横でずっと復讐を考えてたのか!?」


マイク:「あぁ、考えてたよ・・・。でも、誤解しないで。
     君と一緒に過ごした時間は・・・、楽しい時間もあった!!
     こんな歪んだ性格になったのも・・・、全部、ベン!! ・・・君のおかげさ~!!」


ベン:「マイク・・・。・・・くっ・・・」


マイク:「さ~て、全部、ぶちまけられたし、そろそろ、お別れの時間にしよう~。
     ・・・ケイト、待たせて、ごめんね~」


ケイト:「別に良いわよ~。貴方も無事に言いたい事を言えたみたいだし~。
     それよりも~・・・、ベンったら傑作ね~!!!
     この絶望した顔・・・。・・・良いわ~!!! この表情が見たくて堪らなかったの~!!」

 

マイク:「さぁ~、約束通り、ベンに、一緒に止めを刺そうか~」


ケイト:「ええ~、そうね。・・・貴方と私の・・・、今までの恨みを思い知りなさい!!!  ベン!!!」

 

(2発の銃声が辺りに響く)

 


マイク:「ふっ・・・」


ケイト:「・・・ぐふっ・・・、マイク・・・、貴方・・・、最初から・・・」


マイク:「あぁ、そうさ・・・。・・・こんな美味しい役・・・、君に共有する訳ないじゃないか~!!
     それに、君・・・、好い加減、目障りだったからさ~・・・、早く始末したかったんだ~!!」


ケイト:「嘘でしょう・・・? 
     ・・・私は・・・、全てが終わったら・・・、貴方と一緒に、人生のやり直しを・・・、考えていたのに・・・」


マイク:「ははっ、夢物語は、地獄で続けてよ~。じゃあね、ケイト・・・」


ケイト:「マ・・・イ・・・ク・・・」



マイク:「さぁ、これで邪魔者は消えた~」


ベン:「マイク・・・、俺をどうする気だ・・・?」


マイク:「ええ、どうしようかな~。・・・B&Mの株価も大暴落して、君も大富豪から、時期に転落する。
     ・・・君に残された物は・・・、ミッシェルとローガンだけ・・・。
     君が、プレゼントしてくれたバンに搭載した銃火器で、二人を殺すのも良いかな~」


ベン:「よせ!!!! お願いだ・・・、二人の命は助けてくれ・・・」


マイク:「仕方ないな~・・・。じゃあ、ベン・・・、こうしよう。
     ・・・此処から、自分で飛び降りてよ・・・」


ベン:「そうすれば、二人を助けるんだな・・・?」


マイク:「あぁ・・・、約束するよ・・・」


ベン:「・・・。分かった・・・!」


マイク:「・・・あぁあああああ!!! これで、俺の復讐も、ようやく結末を迎えられる~!!!
     じゃあ、さようなら~!!!! ベン!!!」


ミッシェル:「そうはさせないわ!!!」 (マイクに向けて撃つ)


マイク:「ぐはっ・・・! ・・・ミッシェル・・・、お前ええええ~!!!」


ミッシェル:「はぁ、はぁ、はぁ! ・・・ベン、大丈夫・・・?」


ベン:「あぁ・・・、大丈夫だ・・・」


マイク:「ははっ・・・、俺の・・・、完璧な計画が・・・、うっ・・・」


ミッシェル:「・・・さぁ、ベン・・・、行きましょう・・・」


ベン:「ミッシェル・・・」


ミッシェル:「ごめんなさい・・・、私・・・、貴方を助けたくて・・・」


ベン:「・・・」


ミッシェル:「ねぇ~、見て~、ベン・・・。・・・朝陽が綺麗・・・」


ベン:「あぁ・・・、そうだな・・・」


ミッシェル:「私ね・・・、貴方のプロポーズ・・・、やはり真剣に考える事にしたわ・・・」


ベン:「え・・・?」


ミッシェル:「・・・この先も、こんな危険な目に遭い続けたら・・・、貴方を失いかねないって気付いたの・・・」
       

ベン:「ミッシェル・・・」


ミッシェル:「・・・だから、ベン・・・。・・・私・・・」


ベン:「おい・・・、此処でか?」


ミッシェル:「こんな綺麗な景色なのよ・・・。ロマンティックな気持ちになって、キスもしたくなるでしょう・・・。
       だから・・・、ね・・・、目を瞑って頂戴・・・」


ベン:「・・・そうだな・・・、分かったよ・・・」


ミッシェル:「ベン・・・、愛してる・・・」


ベン:「・・・はぁ~・・・、女にも変装が出来るんだな・・・、ローガン・・・」


ミッシェル:「な・・・!? はぁあ~・・・」


ローガン:「どうして、気付いた・・・、ベン・・・」


ベン:「・・・惚れた女を間違える訳・・・、無いだろう・・・」


ローガン:「はぁ~・・・、お前は・・・、昔から・・・、こうだ・・・」


ベン:「・・・目を瞑らせた後、その隠し持ってる銃で、殺そうとしたのか・・・?」


ローガン:「あぁ、そうだ・・・。最後くらい・・・、幸せの中、死なせたかった・・・」


ベン:「そんなに、俺が憎いか・・・?」


ローガン:「あぁ、憎い!! ・・・お前さえ居なければ、ミッシェルは、俺の事を愛してくれたんだ!!」


ベン:「ローガン・・・」


ローガン:「B&Mが崩壊した後・・・、
      ミッシェルが、お前のせいで、世間から白い目で見られて、苦しむ姿は見たくないんだ・・・」


ベン:「・・・」


ローガン:「だから、お願いだ・・・。・・・此処で死んでくれないか・・・?」


ベン:「分かった・・・。それで、お前も、ミッシェルも幸せになるなら・・・」


ローガン:「ベン・・・。・・・ありがとうよ・・・。せめてもの情けだ・・・。一発で楽にさせてやる・・・」


ベン:「あぁ・・・、頼む・・・、ローガン・・・」


ローガン:「じゃあな・・・。・・・今まで、楽しかったぜ・・・。・・・ベン・・・!!!」

 

(1発の銃声が辺りに響く)

 

ローガン:「ぐはっ・・・!!」  (胸を撃たれる)


ベン:「ローガン!!!」


マイク:「へへっ・・・、ベンに・・・、止めを刺すのは・・・、誰にも渡さないよ・・・!」


ローガン:「マイク・・・、お前・・・。・・・ははっ・・・、やはり俺は・・・、お前が、大嫌いだよ・・・」


マイク:「奇遇だね・・・。俺もだよ・・・」   (もう1発、胸に撃ってローガンに止めを刺す)  



ベン:「マイク・・・、生きてたのか・・・」


マイク:「ははっ・・・、当たり前だよ~・・・。ベンを・・・、地獄に送らなければ・・・、死んでも死にきれない・・・。
     今度こそ・・・、最後だよ・・・。さようなら・・・、ベン!!!」


ミッシェル:「残念!! 死ぬのは貴方よ!!!」 (マイクの胸に向けて銃を撃つ)


マイク:「ぐふっ・・・。
     ・・・どうしてだよ・・・。
     これで・・・、やっと・・・、俺の・・・、俺の家族の・・・、復讐も終わるはずだったのに・・・。
     嫌だ・・・、このまま、死にたくないよ・・・。・・・父さん・・・、母・・・さん・・・」

 


ミッシェル:「・・・ベン・・・、立てる・・・?」


ベン:「ミッシェル・・・。・・・すまない・・・。」


ミッシェル:「・・・謝らないで頂戴。・・・今は、何も考えないで・・・。
       ・・・これからの事は・・・、ゆっくり休んだ後・・・、考えましょう・・・」


ベン:「あぁ・・・」

 

長い間

 

ニュースキャスター:「続いてのニュースです。世界有数の大富豪、B&Mカンパニーの株価が、
           一連の騒動により、大暴落しました・・・。
           創設者のベン氏からの弁明も発表されておらず、
           今後も、B&Mカンパニーの株価の暴落は続くでしょう・・・。続きまして・・・」

 


(ニューヨーク市内 施設)

 

マイクの母:「・・・マイク・・・、今日は・・・、良い天気よ・・・。
       ・・・何処に出かけましょうかね~・・・。
       ねぇ・・・、聞いて・・・。
       世の中には・・・、優しい人も居るのね~・・・。・・・多額の寄付をしてくれた方が居るのよ~・・・。
       これで・・・、父さんも、新しい事業が始められて・・・、喜ぶわね~・・・」

 

 

(ニューヨーク郊外 墓地)


ベン:「・・・あぁ、そうか・・・。ちゃんと渡せたか・・・。・・・引き続き、手続きの件を宜しく頼む・・・」


ミッシェル:「ベン・・・、本当に良かったの・・・?」


ベン:「あぁ、構わない・・・。・・・マイクを追い詰めたのは、全て俺の責任だ・・・。
    残ってる全財産を・・・、マイクの母親に寄付しても・・・、後悔はしないよ・・・」


ミッシェル:「そう・・・」


ベン:「ケイトの件も・・・、これから会社に戻り、記者会見を開く・・・。
    記者会見後・・・、お前にまで、世間は、攻撃の対象にするかもしれない・・・。
    だから・・・、ミッシェル・・・。これ以上、一緒には・・・」


ミッシェル:「嫌よ・・・」


ベン:「ミッシェル・・・」


ミッシェル:「ベン・・・、貴方を見捨てたりは出来ない・・・。
       それに貴方は・・・、大富豪の生まれで、世の中の事・・・、知らない事も多いわ。
       心配しないで。・・・これからも、私が側に居て、支えてあげる・・・」


ベン:「ミッシェル・・・。・・・あぁ・・・、頼む・・・。
    こうしては居られない・・・。記者会見の準備を急ぐぞ・・・」

 

ミッシェル:「ええ・・・」

 

 

 

終わり
 

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