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Angel's Kiss

作者:片摩 廣

 

 

登場人物

 

 

マスター 

 

 

実露乃 美射茄子(みろの びいなす)

 

 

秀人(しゅうと) 

 

 

 

比率:【2:1 or 不問3】

 

 

上演時間 【30分】

 

 

 

オンリーONEシナリオ2526

 

2月、バレンタインデー、テーマにしたシナリオです

 

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CAST

 

マスター:

 

実露乃 美射茄子:

 

秀人:

 

 

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(路地裏にひっそりと営業しているBAR)

 

(マスターが、グラスを拭いていると、ドアベルが鳴り、常連客の、実露乃 美射茄子が入店する)

 

 

 

 

マスター:「いらっしゃいませ・・・。・・・いつも、当店の御利用、ありがとうございます」

 

 

美射茄子:「マスター、いつもの」

 

 

マスター:「畏まりました」

 

 

美射茄子:「はぁ~・・・」 

 

 

マスター:「・・・」

 

 

美射茄子:「はぁ~~・・・!」

 

 

マスター:「・・・溜息付いてますが、どうかされたのですか?」

 

 

美射茄子:「私ね・・・、また・・・、振られちゃったの・・・」

 

 

マスター:「(溜息)・・・またですか。・・・これで何回目でしたか?」

 

 

美射茄子:「364回目よ。・・・はぁ~、世の男達は、盲目ばかりなのかしら・・・。

      私の美しさに、気付いても、くれないのよ~」

 

 

マスター:「・・・Love is blind・・・」

 

 

美射茄子:「ふっ、・・・恋は盲目か~。・・・そうよね、今までの男達は、私の魅力に、気付かなかっただけよね~。

      そうよ・・・! そもそも、私を振る理由が分からないのよ・・・!! だって、私は魅力と美の化身でしょう~!!!」

 

 

 

マスター:「どうぞ、アイスブレーカーで御座います」   ※カクテル言葉、【冷静になって下さい】

 

 

美射茄子:「あら? 私、まだお酒、頼んではなくてよ」

 

 

マスター:「こちらは、私からの気持ちです」

 

 

美射茄子:「もう、止してよ~。前から言ってるじゃな~い・・・。特別扱いは困るのよ~」

 

 

マスター:「・・・」

 

 

美射茄子:「でも、私の為に作ってくれたのよね~。有難く、いただくわね」

 

 

 

(ドアベルが鳴り、岡本 秀人が入店する)

 

 

 

マスター:「いらっしゃいませ・・・。どうぞ、お好きな席に、お座りください」

 

 

秀人:「・・・」

 

 

美射茄子:「ねぇ~え~、そこのボーイ~、私の隣、空いてるわよ~」

 

 

秀人:「あ、どうも・・・。でも・・・、こっちに座るから良いよ」

 

 

美射茄子:「もう~、シャイなんだから~・・・。そんなに席、離さなくても良いのに~」

 

 

マスター:「聞いてらっしゃる皆様に説明しますと、当店のバーカウンターには、席が6席、御座います。

      御客様と、御客様の間には、空いてる席が4席あり、

      それぞれ、端っこの席に、座ってる状態で御座います・・・。以上、説明、終わります」

 

 

美射茄子:「・・・ねぇ、貴方、名前は・・・?」

 

 

秀人:「あ~、見ず知らずの人に、名前、言いたくないな・・・」

 

 

マスター:「御尤もで御座います」

 

 

美射茄子:「それもそうね~。貴方が余りに魅力的なイケボーイ!だから・・・、順序を焦っちゃった~!

      人に何か尋ねる時は、まず自分からよね~。

      私は、実露乃 美射茄子よ~」

 

 

秀人:「え!?」

 

 

美射茄子:「あら、私ったら、緊張しすぎて、活舌が甘かったかしら・・・。

      もう一度、言うわね・・・。

      私は、実露乃 美射茄子よ~!」

 

 

秀人:「は?」

 

 

美射茄子:「もう、流石に聴こえたはずよね~! はっ!? まさか・・・!!!

      私の名前が余りにも、美しい名前だから、何度も聴きたくなったとか・・・。

      いいえ、違う、待って! 美射茄子、落ち着くのよ!

      ふぅ~・・・! ・・・はっ!? そうよ! 

      私の、この綺麗な、VOICE!!! を、何度も聴きたくて、わざと聴こえないふりしてるのね~!

      そうよ、間違いないわよ! だって、私の声は、この世で唯一無二の!!!」

 

 

 

マスター:「どうぞ、ソルティドッグで御座います」  ※カクテル言葉、【寡黙】

 

 

 

美射茄子:「もう、マスター~。いつも、お気持ちが多いんだから~」

 

 

秀人:「え? いつも・・・?」

 

 

マスター:「左様で御座います」

 

 

秀人:「マスター・・・、貴方・・・、やりますね・・・」

 

 

マスター:「恐縮で御座います」

 

 

美射茄子:「も~う、何か二人で通じ合ってるじゃないのよ~。

      え!? まさか!!! もしかして、この後、BL(NL)展開、来ちゃう~!!!?」

 

 

秀人:「・・・」

 

 

マスター:「・・・」

 

 

美射茄子:「もう二人共、黙らないでよ~。冗談に決まってるでしょう!

      それにしても・・・、はぁ~、今日はValentine's Dayなのに、振られちゃうなんて。

      何処かに、こんな可哀そうな私を、慰めてくれる男、居ないかしら~」

 

 

マスター:「ところで御客様、お飲み物は、何に致しましょうか?」 (男くらいから被せて)

 

 

秀人:「じゃあ・・・そうだな・・・、トワイライトゾーンで」  ※カクテル言葉、【ご遠慮します】

 

 

マスター:「畏まりました。・・・御客様も、やりますね」

 

 

秀人:「どうも・・・」

 

 

美射茄子:「オッホン!」

 

 

マスター:「・・・」

 

 

秀人:「・・・」

 

 

美射茄子:「ねぇ、マスター、今日は、何だか店内、暑いわね~。・・・あ~、もう限界~!!!

      上着、脱いじゃおうかしら~。・・・チラッ。

      ふ~、楽になった~! 

      はぁ~・・・、割と近くに、こんな可哀そうな私を、慰めてくれる男、居ないかしら~」

 

 

マスター:「お待たせ致しました、トワイライトゾーンで御座います」 (再び男くらいから被せて)

 

 

秀人:「ありがとう、・・・しごはや、感謝!」

 

 

マスター:「恐縮で御座います」

 

 

美射茄子:「・・・」

 

 

マスター:「おや・・・、どうかされましたか?」

 

 

美射茄子:「いいえ、何でもなくてよ・・・。

      ねぇ~、私の名前、ちゃんと教えたわよ~。イケボーイの名前も教えて貰えるわよね?」

 

 

 

秀人:「え? ごめん、名前、何だっけ?」

 

 

 

美射茄子:「Oh~ my God‼」

 

 

マスター:「なんてこった」

 

 

美射茄子:「My name is 」

 

 

マスター:「私の名前は」

 

 

美射茄子:「Mirono~ Vinasu!」

 

 

マスター:「味噌の~ 豚カツ!」

 

 

美射茄子:「誰が味噌の豚カツよ~!!! せめて、味噌の美茄子にしなさいよ~!!!」

 

 

秀人:「ぷっ! あはははははは!!!」

 

 

美射茄子:「まぁ、良いわよ。そこのイケボーイにウケたみたいだから」

 

 

秀人:「あ~、可笑しかった~。・・・俺は秀人。・・・さっきのマスターとの息ピッタリで、笑いが堪えきれなかったよ」

 

 

美射茄子:「笑った顔も、ス・テ・キ・・・。益々、気に入っちゃった~。

      ねぇ~、どうして貴方みたいなイケボーイが、Valentine's Dayの夜に一人で、

      こんな路地裏にある・・・寂れて御客も来ないBarに、居るのかしら~?」

 

 

マスター:「・・・」

 

 

 

秀人:「あ~・・・、話すけど、笑わないでくれる・・・?」

 

 

美射茄子:「勿論よ~、世界中の神様に誓って、笑わないわ~」

 

 

秀人:「実は・・・、2年付き合った彼女に、愛想尽かされて、途方に暮れてたら、

    このBarを見つけたんだ・・・」

 

 

美射茄子:「・・・まぁ、私と同じじゃない・・・。振られた寂しい男女が一緒のBarに居るなんて・・・、

      私達、運命の赤い糸で結ばれているのかも知れないわね・・・」

 

 

 

秀人:「運命の赤い糸かは分からないけど、美射茄子さん、面白いから、友達になら・・・」

 

 

美射茄子:「勿論よ~!!! 焦ったりは禁物だもの~。先ずは友達から始めて、お互い、交流を深めましょう!!!」

 

 

秀人:「え・・・、あ・・・、いや・・・」

 

 

美射茄子:「恥ずかしがらないでよ・・・。

      でも、そんなピュアな所も、惚れちゃうポイントよ~。・・・ン~~マッ♡」 (投げキッス)

 

 

秀人:「ひいいいいいいいいいいい」

 

 

マスター:「御客様、カウンターの前、失礼します。・・・すみません、そこの汚れが気になって・・・」

 

 

秀人:「ふぅ~、助かった~・・・」

 

 

美射茄子:「もう~、折角、私の投げキッス・・・、秀人に届けたかったのに~。

      でも、良いわ~。まだチャンスは沢山、あるのだから~」

 

 

マスター:「え~、所で、美射茄子 様・・・、秀人 様・・・。そろそろ追加の御飲み物は、いかがでしょうか?」

 

 

美射茄子:「そうね~・・・。じゃあ、私は、カルーアミルクが飲みたいな~。  

      うふっ・・・。今夜は~、素敵なイケボーイを誘惑する小悪魔になってみたいかも~」  ※カクテル言葉、【悪戯好き】

 

 

マスター:「畏まりました・・・」

 

 

秀人:「じゃあ俺は、カンパリ・ソーダで」    ※カクテル言葉、【ドライな関係】

 

 

マスター:「畏まりました・・・。良い選択です」

 

 

秀人:「どうも・・・」

 

 

 

美射茄子:(M)「さっきから、マスターと秀人が目で合図して可笑しいのよね~。

         一体、どうして・・・? ・・・はっ! 待って、そうよ・・・!

         確か、お酒にはカクテル言葉が、あると聞いた事がある!

         まさか・・・。・・・(スマホでカクテル言葉を調べる)

         ふ~ん、そうだったの~・・・。

         ・・・これは、使えるわね~・・・ふふふ、今に見てなさ~い・・・」

 

 

マスター:「お待たせ致しました・・・。カルーアミルクで御座います」

 

 

美射茄子:「ありがとう。・・・ねぇ~・・・、マスター・・・、お願いがあるんだけど~」

 

 

マスター:「何でしょうか?」

 

 

美射茄子:「このお店は、御客にお酒、奢るのも良いのよね~」

 

 

マスター:「はい、構いませんよ」

 

 

美射茄子:「じゃあ私・・・、秀人に、お酒奢るわね~。

      そうね~・・・、・・・まず、カシスソーダ・・・。    ※カクテル言葉、【貴方は魅力的】   

      次に~・・・、ブラッディ・メアリー・・・        ※カクテル言葉、【私の心は燃えている】

      最後に・・・、カルソニックを・・・、お願いするわ~」  ※カクテル言葉、【特別な夜に】

 

 

 

マスター:「・・・ほほう。貴方は魅力的で、私の心は燃えている。今日の日を特別な夜にしたいそうです」

 

 

 

秀人:「あはははは・・・。

    ・・・じゃあ、俺も美射茄子さんに、お酒、奢りますね・・・。

    そうだな~、・・・まず、ジンアンドビターズ・・・。          ※カクテル言葉、【自戒】 

    次に~・・・、インペリアル・フィズ・・・。              ※カクテル言葉、【楽しい会話】 

    最後に・・・、ジョン・コリンズ・・・、マスター、お願いします」    ※カクテル言葉、【気さくな関係】

 

 

 

マスター:「・・・ふむ。秀人さんは、行動を慎んで、楽しい会話を、気さくに楽しめる関係にしたいそうです」

 

 

 

美射茄子:「気さくな関係も好きよ・・・、駄目ね、私ったら・・・、少し焦りすぎたみたいね・・・。

      パパも常日頃、言ってたの・・・。

      美射茄子・・・、お前は、自分の妄想に入り込み、暴走しがちになるから気をつけなさいと・・・。

      ごめんなさい・・・、パパの事、思い出すと・・・、涙が出ちゃう・・・」

 

 

 

秀人:「・・・お父さん、今は居ないんだね。・・・可哀想に・・・」

 

 

 

美射茄子:「うん、パパに会いたいわ~・・・」

 

 

秀人:「今は会えないだろうけど、遠くで、美射茄子さんの事、ちゃんと見てくれてるよ」

 

 

美射茄子:「そうね・・・。・・・美射茄子、頑張る・・・」

 

 

秀人:「その意気だよ。例え今は会えなくても・・・」

 

 

美射茄子:「パパ!!! 早く海外旅行から帰ってきて~!!! カムバック!!! マイ!!! ファーザー!!!」

 

 

秀人:「え!? お父さん、生きてるの?」

 

 

美射茄子:「ええ、生きてるわよ」

 

 

マスター:「美射茄子様の御父上は、奥様と一緒に、30回目の新婚旅行へ」

 

 

秀人:「は!? 30回目!?」

 

 

美射茄子:「そうなのよ~。パパとママったら~、私が産まれてからも、ずっとラブラブでね~。

      二人で旅行に行く度に、新婚旅行、満喫してくる~が口癖になってるのよ~。

      もう、今回で30回目なのよ~・・・!!!

      ・・・私も一緒に旅行したいのに・・・!!!

      二人だけで楽しむなんて・・・、ズルいわよね・・・。・・・ねぇ、秀人も、そう思うでしょう!!!?」

 

 

 

秀人:「マスター、フードメニューはある?」 (秀人もくらいから被せて)

 

 

マスター:「はい、御座いますよ」

 

 

秀人:「メニュー、見ても良い?」

 

 

マスター:「畏まりました。・・・こちらがフードメニューになります」

 

 

美射茄子:「ふっ・・・。華麗に私の言葉、スルーするなんて・・・、二人共、やるじゃ・・・」

 

 

秀人:「じゃあ、このマスター特製、手作りサンドイッチを」

 

 

マスター:「畏まりました。こちらのメニュー、選ぶなんて、お目が高いですね」

 

 

秀人:「俺、サンドイッチには、目が無くて」

 

 

マスター:「それはそれは」

 

 

美射茄子:「何が、それはそれはよ!!!! 少しは、私の話も聞かんか~~~い!!!!」

 

 

マスター:「味噌の美茄子 様、落ち着いて下さいませ」

 

 

美射茄子:「誰が、味噌の美茄子よ!!! そこは、さっきみたいに、味噌の豚カツで弄りなさいよ!!!」

 

 

マスター:「失礼致しました。味噌のヒレカツ 様」

 

 

美射茄子:「絶妙に部位、変えるんじゃないわよ!!!」

 

 

秀人:「お二人共、息がピッタリ! 一層のこと恋人になったらどう?」

 

 

美射茄子:「え~? 恋人なんて~・・・、美射茄子、困っちゃ~う!!

      マスターもイケてるから~、意識してなかった訳じゃないけど~、

      でもでも~、いきなり過ぎだし~、ねぇ、マスター・・・チラッ」 (マスターにウルウル目でアピール)

 

 

マスター:「いえ、全くもって、これっぽっちも困りません」

 

 

美射茄子:「な!?」

 

 

マスター:「私は、秀人 様の方が、美射茄子 様と、お似合いだと思います」

 

 

秀人:「いやいや、そこは、やはりマスターの方が」

 

 

マスター:「いいえ、やはり秀人 様の方が」

 

 

美射茄子:「そこ!!! 何、私を要らない御中元みたいに押し付けあってるのよ!!!

      残り物には福があるって言うでしょう!!!」

 

 

マスター:「あ~・・・、あぁ~・・・」   

 

 

秀人:「あ~・・・、あぁ~・・・」 (二人で、美射茄子の姿、上から下まで見る)

 

 

 

美射茄子:「ちょっ!!? 二人して、何処見て、ガッカリしたのよ!!?」

 

 

マスター:「ぜん・・・、黙秘権を行使します」

 

 

秀人:「同じく」

 

 

美射茄子:「チッ! 貴方達ね~・・・!!! ・・・ふんっ、まぁ良いわ・・・。

      ・・・まだ、夜は、これからよ~・・・♡」

 

 

マスター:「・・・御待たせ致しました。マスター特製、手作りサンドイッチで御座います」

 

 

秀人:「これは、美味しそうだ。・・・いただきます」

 

 

マスター:「どうぞ、召し上がれ」

 

 

美射茄子:「・・・美味しそうね。・・・マスター、私にも、同じのいただけるかしら?」

 

 

マスター:「畏まりました。・・・おや・・・、私とした事が、レタスを切らしたようです・・・。

      すみませんが、少し店を離れます・・・」

 

 

美射茄子:「あら、そうなのね~。分かったわ~」

 

 

美射茄子:(M)「うふっ・・・、チャンス到来~・・・」

 

 

 

秀人:「・・・ん? 何か視線が・・・」

 

 

美射茄子:「あっ・・・、私ったら、ごめんなさいね~・・・。余りに美味しそうに食べてるから、つい・・・」

 

 

秀人:「そっか・・・。俺、小さい頃から、サンドイッチが大好きなんだ」

 

 

美射茄子:「美味しいわよね~。私も、小さい頃にママが作るサンドイッチが好きだったわ~」

 

 

秀人:「美射茄子さんも、サンドイッチが好きなんだね。

    そう、幾ら大好きだと言っても・・・、それが理由で彼女に振られたから、少しは考えないといけないんだろうな」

 

 

美射茄子:「え? 振られた理由が、それなの!?」

 

 

秀人:「可笑しいよね・・・。

    彼女に、手作りのサンドイッチ、食べてみたいと頼んだら、

    そんなの、お店で買えば良いじゃないって言われてさ。

    それがきっかけで、口喧嘩に・・・」

 

 

美射茄子:「可笑しく無いわよ。・・・私は、手作りのサンドイッチの方が食べてみたいし、

      大好きな人から、手作りが食べたいと頼まれたら・・・、

      例え、指が傷だらけになっても、愛情込めて作ってあげたくなるわよ」

 

 

秀人:「へ~・・・。美射茄子さん、意外と優しいんだね」

 

 

美射茄子:「意外とは余計よ!」

 

 

秀人:「ごめん! はははは・・・。俺も、まだまだだな~。

    美射茄子さんの内面の良さに、気付かないなんて・・・」

 

 

 

美射茄子:「ちょっと、その発言・・・。もう、自覚ないでしょ?」

 

 

秀人:「え? 俺、何か変な事、言った?」

 

 

美射茄子:「全く・・・、これまでに何人、恋に落としたんだか~」

 

 

秀人:「それは・・・、想像に任せるよ。

    でも、美射茄子さんみたいに、優しい人には、巡り合わなかったかも・・・」

 

 

美射茄子:「そう言う事言って・・・、もう・・・、変に期待させないでよ・・・」

 

 

 

マスター:「戻りました。・・・おや、何だか良い雰囲気で御座いますね」

 

 

 

秀人:「マスター、注文を。美射茄子さんに、ライジング・サンを」   ※カクテル言葉、【恋の予感】

 

 

 

マスター:「畏まりました。・・・恋の予感で御座いますね」

 

 

美射茄子:「嬉しいわ・・・。マスター、私も注文するわ。秀人に、アイ・オープナーを」  ※カクテル言葉、【運命の出会い】

 

 

マスター:「畏まりました。・・・運命の出会いですか。

      どうやら、私が留守の間に、お二人の仲は、良くなったので御座いますね」

 

 

秀人:「俺・・・、今まで、外見でしか判断が出来てなかったと、気付いたんだ・・・。

    気付けたのは、美射茄子さんのお陰だよ・・・」

 

 

 

美射茄子:「秀人・・・。私も、外見ばかり重視してた事、恥じなきゃね・・・。

      私の事、こんなに思ってくれる人は、初めてよ・・・」

 

 

 

マスター:「お二人の仲が、これから上手くいくように、私からも、カクテルを贈って宜しいですか?」

 

 

美射茄子:「ええ、勿論!」

 

 

秀人:「お願いするよ」

 

 

マスター:「畏まりました」

 

 

美射茄子:「うふふ・・・。マスターが、どんなカクテルを贈ってくれるか、楽しみね~」

 

 

秀人:「あぁ、楽しみだな~」

 

 

 

 

マスター:「お待たせ致しました。先ず、こちらが、秀人 様からで、ライジング・サンで御座います」

 

 

美射茄子:「うふっ、ありがとう」

 

 

マスター:「続きまして、こちらが、美射茄子様からで、アイ・オープナーで御座います」

 

 

秀人:「ありがとう」

 

 

マスター:「最後に、こちらは私から御二人に・・・。

      どうぞ、ウエディング・ベルで御座います」   ※カクテル言葉、【幸せいっぱい】

 

 

 

秀人:「・・・カクテル言葉は・・・、幸せいっぱいか~」

 

 

美射茄子:「マスタ~ったら~!!! ウェディングは、幾らなんでも早いわよ~」

 

 

秀人:「そうですよ~。・・・でも、これから美射茄子さんと、良い関係になれたら良いな」

 

 

美射茄子:「秀人・・・。嬉しい・・・」

 

 

マスター:「それでは、御二人のこれからを祝して・・・」

 

 

秀人:「ありがとう、マスター。・・・乾杯」

 

 

美射茄子:「うふっ・・・、乾杯」

 

 

(良い雰囲気になった所に、秀人のスマホに着信がかかってくる)

 

 

 

SE:【スマホの着信音】

 

 

秀人:「え・・・? ・・・あ、ごめん・・・。電話に出て良い?」

 

 

美射茄子:「勿論よ~」

 

 

秀人:「・・・もしもし・・・。・・・今更、何の用だよ・・・。

    ・・・ん? ・・・謝っても遅いに決まってるだろ・・・」

 

 

美射茄子:(M)「もしかして、元カノからかしら・・・。

         うふふ・・。今更、もう遅いのよ~!!! だって秀人の心は、もう私の物なんだか」

 

 

 

秀人:「え!? 俺の為に、手作りサンドイッチ、作ってくれたの!!!?」

 

 

美射茄子:「What!?」

 

 

秀人:「・・・うん。・・・うん・・・。分かった・・・。

    ・・・良いよ、俺こそ、怒りすぎた・・・」

 

 

美射茄子:「何かしら~、凄く雲行きが~」

 

 

秀人:「え? 今から? ・・・あ~・・・」

 

 

美射茄子:(M)「駄目よ・・・。私との幸せな時間、選んで頂戴~!!!」

 

 

秀人:「何度も謝らなくて良いよ! ・・・勿論! 今から行くに決まってるだろう!!!」

 

 

美射茄子:「・・・嘘でしょう!?」

 

 

秀人:「・・・ん、何だよ? ・・・照れるじゃないか・・・!?。・・・うん、俺も愛してるよ。

    ・・・は~い、じゃあ、また後でね~・・・」

 

 

美射茄子:「・・・」

 

 

秀人:「マスター・・・、もう一つ、美射茄子さんに、お酒、送るよ。

    ・・・モスコミュール、お願い」                  ※カクテル言葉、【ケンカをしたらその日のうちに仲直り】

 

 

マスター:「畏まりました」

 

 

美射茄子:「え!? 待って!!! モスコミュールのカクテル言葉は・・・!!!」

 

 

秀人:「それじゃあ、マスター・・・、・・・会計は、クレジットカードで」

 

 

マスター:「畏まりました。秀人様の幸せ、願っております」

 

 

秀人:「ありがとう・・・。待ってろよ、俺の彼女と手作りサンドイッチ~!!!」

 

 

美射茄子:「ねぇ、ちょっと!」

 

 

マスター:「お待たせ致しました。・・・こちら、秀人様からで、モスコミュールで御座います。

      ・・・カクテル言葉は、ケンカをしたらその日のうちに仲直りです」

 

 

美射茄子:「うううう・・・!!!! 秀人~、カムバック~~~~!!!!!」

 

 

マスター:「さてと・・・」

 

 

 

(BGM、流す準備するマスター)

 

 

BGM:【蛍の光】

 

 

 

マスター:「美射茄子 様・・・、そろそろ閉店の御時間です」

 

 

美射茄子:「え!? 今、急いで、閉店の準備、始めたわよね!?」

 

 

マスター:「気のせいで御座います」

 

 

美射茄子:「あら、そう・・・」

 

 

マスター:「美射茄子 様・・・、ラストオーダーの御時間です」

 

 

美射茄子:「マスター・・・、じゃあ、コープスリバイバーをお願い出来るかしら・・・?」       ※カクテル言葉、【死んでもあなたと】

 

 

マスター:「畏まりました・・・。・・・死んでもあなたとで御座いますか」

      

 

美射茄子:「ねぇ、マスター・・・・、私、やっと気付いたの!!! 私の運命の相手は、マスターよ~♡」

 

 

マスター:「いいえ、不可能で御座います。お断りします」

 

 

美射茄子:「こんちくしょう!!!!

      ・・・はぁ~・・・、じゃあ、366回目の素敵な出会い、これから待つわ。

      これからの出会いに、乾杯・・・!」

 

 

マスター:「いいえ、美射茄子 様・・・。閉店の御時間で御座います」

 

 

美射茄子:「あら、そういえば此処、歌も歌えるのよね・・・。では、聴いて頂戴~。

      傷心の気持ちを、心を込めて歌うわ~。

      ・・・(アカペラで、20秒~30秒、何か歌ってください)※歌えない方は、アドリブでマスター、困らせてください

 

 

 

マスター:「・・・(いつでも居座る美射茄子にアドリブで、リアクションしてください)」

 

 

 

 

終わり

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